プライシングは経営を左右する

ちょっと前に書いた、よく行っているランチバイキングが値上げを敢行した結果、客数が激減した、という話の続き。

 

chikaran.hatenablog.com

ここでは、この値上げについて、もう少し細かく見てみたいと思う。

 
今回のこのランチバイキングでの値上げは、ざっくり1,700円から2,000円へと300円であった。率にして、約2割の値上げ。
この場合、どのくらい客数が減ると、売上が同じになるかというと、小学生料金や幼児料金もあるが、ここでは大人料金だけで考えると、だいたい15%減の85%。
100人来ていた客が85人になったとしても、だいたい元と同じくらいの売上になる。料理もそれにあわせて増減させることができるという条件であれば、粗利率も同じになるので、だいたい85%が前と同じ業績になる。
 
そこから想像するに、このランチバイキングの関係者は、値上げをしてもだいたい客数10~20%減あたりを見込んでいたのではないだろうか。
客数が10%減であれば売上は増、15%であれば横ばい、20%であれば売上は5%下がるが、行列ができてオペレーションが大変だったことを考えると、それでも良しと意思決定したのではないかと想像する。
 
ただ、結果としては、私は2回しか行っていないが、値上げ後の客数を多めに見積もっても50%減、半分以下になっているものと思われる。下手すれば4分の1くらいになっているかもしれない。
客数が5割減の場合売上は4割減、4分の1に減っていれば売上は7割減である。
さすがにここまで下がれば、コスト上昇分の吸収とか、そんなことを言っていられるレベルではないので、かなり経営に影を落としていると思われる。
 
ではなぜここまで客数が減ってしまったのか。
税込みで2,000円を超える値づけをしてしまったことに尽きるかと思う。田舎ということもあり、この大台を超えたという印象が思っている以上に効いているとしか考えられない。
もしこれが、税込みで2,000円を下回る値付けであれば、まだ影響は低かったのではないか。もしくは、税抜きを表示にするだけでも印象は変わったかもしれない。
よく、198円とか、999円とか、大台に乗らないような値付けをすべしというのは、昔から言われていることだが、これは思いの外正しいのかもしれないと思ったわけである。
 
かくして、このランチバイキング。今後どういったテコ入れを図ってくるのかわからないが、今回の値上げでなくなってしまっては困るので、何かいい手を考えてほしいものである。
 
ということで、値上げの時代は絶妙なプライシングが求められる、という話でした。