今日2月10日の午前10時から、日経ビジネス主催で、峰宗太郎先生が講師の「新型コロナとワクチン、情報の真偽をどう見抜くか」というのウェビナーが開催された。
内容としては、書籍の理解が深まる内容であったし、また出版された当時からアップデートされた情報も多く、非常に有意義な講義であった。
とくに、新しいタイプのワクチンである核酸ワクチン、その中でも日本でも接種がはじまろうとしているmRNAワクチンに関しては、書籍では伝わりにくい、より細かなニュアンス的なところを補完してもらうことができた。
また、出版時には、mRNAワクチンに若干懐疑的だった峰先生が、現時点ではかなり積極的に評価していたのが印象的だった。
有効性についてはデータとしてもはっきりと示されるようになったとのことだし、安全性に関しても副反応のリスクはどの程度かはっきりしてきたとのことで、書籍と今回の講義を通じて、現時点で接種すべきかどうかを判断するための情報は一通り示してもらえたのではないかと感じた。
そして、今回のウェビナーで一番印象的だったのは、長期的な副反応をどう考えるかについての説明の箇所だった。
mRNAワクチンは新しいワクチンであり、長期的にはどのような副反応が出るかわからないので、それをどう評価すべきかという質問があった。
その質問に対する峰先生の回答は、長期的な副反応を考える場合、「メカニズム」と「疫学的な実証データ」の両方から考えないといけないとのことだった。
たしかに今回のワクチンは新しいタイプのワクチンなので、疫学的な実証データはない。なので、長期的な副反応の可能性があるかと問われれば、ゼロではない。
しかしながら、このワクチンの成分自体や原理といったメカニズムを考えると、副反応を起こす可能性はほぼないと考えられる。とのことだった。
帰納的な側面と演繹的な側面の双方からの説明は、納得性が高く、そして誠実であると私は感じた。
ここまで話を伺った段階で、私自身としては、ワクチンについては積極的に接種したほうがいいと感じるに至った。
接種の判断自体は各自がすべきものだと思うが、その判断をするためにはより正確で科学的な情報が必要になる。今回、書籍や講義でその情報が得られたのは非常にありがたかった。
私自身、経営者という立場なので、ワクチンを打つべきかどうかといった意見を聞かれることもあるが、そのときも打つかべき打たないべきかという結論に関する意見を言うのではなく、判断の材料となる情報を提供できるように、今後も勉強していきたいと思った。
書籍の感想でも書いたが、峰先生の講義は言葉の定義などが非常に丁寧でわかりやすい。そして、わかることは楽しいと感じることができた内容だったので、またこのようなウェビナーを開催してもらえるとありがたいと思う。