積ん読が増えていく理由

私が本を読むようになったのは社会人になってから。
子どものころから、どちらかというと読書は苦手なほうで、あまり読んでこなかった。学生のころも課題で出た本を読むくらいで、できれば読書は避けて通りたいという感じだった。
一方で、本を読める人への憧れのようなものはあって、読書ができる自分になりたいなとも思っていた。
 
そんな自分も社会人になり、満員電車で通勤にするようになって、その苦痛な時間をどう避けるかが課題となった。最初は新聞を読んだりしていたのだが、どうにも新聞は紙面が大きく思ったように読めない、ということで本を読むようになった。
本であれば、そんなにかさばらないし、読んでいても他の人の邪魔になりにくいし、夢中で読んでたら最寄りの駅についてるし、といいことづくめ。次第に読書習慣もつき、薄い本であれば通勤の往復で1冊くらいは読めるようになった。
なので、週末や平日の夜には、丸善などの大きめの本屋に行って、本を何冊か買っておき、それを通勤時間に読むというサイクルが回るようになっていった。
もうかれこれ20年以上前の話だが、同時スマホタブレットがあったら、読書習慣は身につかずにいたのは間違いない。
 
それから年月が経ち、本を読む量は減ってきたものの、読書習慣はそれなりに維持している。ただ、読む本は紙の本からKindleがメインになり、5年前くらいからはAudiobookで聞く読書も増えてきている。
 
ここで最近問題に感じるのは、積ん読になってしまう確率が高いということ。
気軽に買える分、買ったはいいが、読まずじまいでどんどん本がたまってしまうことになる。
そうなってしまう原因は明確で、セールで安いからと買ってしまうから。半額くらいになると安いと思ってあれこれ買いたくなってしまうのだが、読まないのならもったいないので、今読みたい本でなければセールで買うことを自制している。
 
これで、買った本を読まずじまいという積ん読は徐々に減っているのだが、もう1つの種類の積ん読があることに最近気づいた。
それはほしいものリストにたまる本の数のこと。
AmazonでもAudiobookでもほしい本のリストがあり、自分が読みたい本をクリックするとリスト化してくれる。その本の数が増えすぎてしまうという意味での積ん読もあるなと思ったというわけである。
読みたい本はたくさんあるので、今月はこれを読むと決めて、消化していこうと思ったこともあるが、これがなかなかうまくいかない。
 
なぜか。考えてみれば(考えなくても)当たり前のことだが、出版される本のペースが速いのである。
自分が読むペースと、ほしいと思う本が出版されるペースがぜんぜん見合っていない。だから、積ん読が増えてしまうのである。
まあ、これは気づいたからといって、どうすることもできないのだが、自分が一生に読める本には限界があるので、読む本は大事に選んで、読書時間を大切に使いたいと思った次第である。
 
というわけで、本が出版されるペースは速いという当たり前のことに最近気づいた、という話でした。