ワンオペ花火大会(中編)

(前回からの続き)
花火大会を見に、地元から少し3駅離れた会場に向かうも、最寄りの駅に着いた段階で、かなり想定と違う感じだったのだが、ここからがさらにひどかった。
コンビニで(ここでも行列に並んで)水分と塩分補給のタブレットと、ちょっとしたお菓子を買って、いざ会場へ向かうと、身動きできないくらいの人・人・人。
都会の花火大会とは人数は違うのだろうが、人口密度という点ではひけを取らなかったはずである。
 
この混み具合だと、何食べるか迷っていたら何も買えないぞと思って、近くにあった焼き鳥を買おうと列に並ぼうとするも、列がどっちに伸びているかわからない。
しかも、売り場はワンオペで、どんどん客を捌いてるようにはまったく見えない。悠長なのかテンパっているのかよくわからなかったが、こんなに生産性が悪いのはこの焼き鳥屋だけだろうと思ってまわりを見たら、隣のフライドポテト(こちらは複数人いたが)ぺちゃくちゃ喋りながらで、とても手際がいいとは言い難い。
田舎だから悠長なのか、商売っ気があまりないのか、よくわからないが、これだと列に並んでもいつ買えるかわからないと思い、近場で買うのを断念。もうちょっと奥まで歩いてみようとなった。
 
するとこれが大失敗。奥に行っても、人出が減る気配はまったくなし。それほど広くない道路の両側に出店がずらっと並んでおり、どこも行列。というか列がどうできているかもわからない。加えて、並んでいる人たちの間を縫って移動する人たちもいて、われわれはベビーカーもあったので文字通り身動きが取れない時間が多かった。
 
そうこうしているうちに、子どもたちはお腹が空いたとなる。仕方がないので、唯一と言っていいくらい空いていた冷やしパイン(400円)を2つ購入。これでどうにかごまかそうと思った。
が、娘も息子も途中いらないと言い出す。パイナップルのスジが気に入らないらしく、娘は半分以上、息子は8割方残して、私に渡してきた。
せめて1つにしとけばよかったと後悔しつつも、そういった気が回らないくらい疲弊していて、とくに食べたくもないパインのお腹に入れて、さらに奥へと突き進んでいったが、様子は変わることなく、出店ゾーンの端へ。
花火の本会場となる海岸まで行く気力もなく、迂回してもと来たところに戻ったのだが、この時点でもうこれ以上動いてもどうしようもないと判断した。
(長くなりなので、さらに次回に続く)