今年も年の瀬。毎年恒例のM-1グランプリがあった。
年々レベルが上っているのはよくわかるし、出番順もかなり影響するなと今年は強く感じた。
さて、番組自体は面白かったが、毎年気になるのは審査員の点数のつけ方。
今年は山田邦子が初審査員ということで、どういった点数のつけ方をするのか気になっていたが、さっそく1組目と2組目で、84点と95点をつけてきた。山田邦子のせいで、とくに上位3組の順位が変わったりしたらやだなと思いながら見ていた。
ただ、後述するとおり、山田邦子の審査は全体を見ればそんなひどいものにはなっていなかったので、ちょっとホッとしているが、やはり最初の2組の印象はよくなかったと思う。
こういった賞レースの審査は、各審査員が順番をつけて、単純にそれを足し合わせるのが公平である。
M-1は7人の審査員が、各自持ち点100点で評価をするが、この7人の影響力を同じようにするのであれば、10組の面白いほうから、10点,9点,8点…,2点,1点と点数をつけて、それを足し合わせるという方法が一番いい。
100点満点にするのであれば、各審査員は何点でもかまわないのだが、全員がトップと最下位の点数差は9点、しかも同じ点数のダブリがないようにする、というのが理想である。
で、今回の得点の分散は以下のとおり。
松本:トップ96、最下位86、差は10 2組同点なし
礼二:トップ97、最下位89、差は8 2組同点3つ
志らく:トップ98、最下位88、差は10 2組同点3つ
富澤:トップ97、最下位88、差は9 2組同点1つ
塙:トップ96、最下位88、差は8 2組同点2つ+3組同点1つ
大吉:トップ96、最下位90、差は6 2組同点4つ
山田:トップ95、最下位84、差は11 2組同点3つ
上述の基準で考えると、松本人志は、毎年各組きちんと点差をつけて、それも1点差ずつで審査してきているが、今年もキッチリ順番をつけてきた印象。89点だけつけてなかったが、このあたりは仕方ないか。
続いて、サンドイッチマン富澤も、かなり意識している様子で、トップと最下位の差は9点に収めていて、同点も1つだけ。審査員の仕事をしているという感じである。
問題の山田邦子は、最初の二組で11点差をつけてしまったが、その後はこの間に入れる採点をしてきている。あまり論理的な講評もなかったし、最初のトークもずれている感じで、正直微妙ではあったが、審査だけ見ると、途中から修正してきたと言えるのではないだろうか。
それ以上に問題なのは博多大吉で、トップと最下位の差が6点しかない。コメントは的確だと思うのだが、彼の評価が過小評価されてしまう結果になってしまっている。きちんと差をつけた評価を望みたいと思う。
ちなみに、各審査員の点数を順位点に直して、集計してみた結果、2位のロングコートダディと3位のウエストランドの順位が変わっていた。元の点差が1点だったので、やむなしの面もあるが、これでトップ3の順位が変わらなくてよかったと思う。
結果、3位通過のウエストランドが優勝したが、この2位と3位の違いが影響したのかどうか、確かめようはないが興味深いところである。
こうやって、点数を振り返ってみると、(山田邦子はどうかわからないが)各審査員、自分の採点が影響しすぎないようにかなり気を使いながら審査していることがわかる。
このくらい締まった感じでの審査が来年以降も継続されたらいいなと思う。
ということで、 審査員の点数のつけ方次第で順位が大きく変わらなくてよかった、という話でした。