【バスケW杯】ベネズエラ戦雑感

今回のバスケW杯で、こんなにしびれる試合を2試合も見ることができるとは思わなかった、というのが試合後率直な感想だった。
 
バスケワールドカップも佳境、ではまだないが、日本にとっては残り2試合。1次ラウンド敗退で17-32位決定戦に回ったが、パリオリンピック出場権がかかった戦いは続いており、残り2戦を連勝すれば代表権獲得という状況で迎えた、ベネズエラ戦。
結果は、フィンランド戦に続き、劇的な勝利だったが、簡単に感想をまとめておきたいと思う。
 
立ち上がりの第1Q、4点差で終える。
当たり前だが、簡単に勝てる相手ではないことを思い知る。強豪揃いのグループEでいい戦いをして、その中で1勝もしたので、いわゆる敗者戦の17-32位決定戦では簡単に勝てそうだと錯覚するが、そんなことはない。相手はランキング17位。日本より上位で、普通に強い。
そんな強豪相手に前半は5点差で折り返す。今大会、後半戦にとくにいい戦いをしているので、期待をもてる展開か。
 
続く、第3Qは少し押され気味だったが、最後に渡邊の得点で、9点差でラスト第4Qを迎える。
そして、9点差でスタートした第4Qは、いったん13点差まで広げられるが、ここからが比江島が流れを変える。
3Pで10点差にすると、その後も3Pを連発。逆転のバスケットカウントも比江島だったし、試合を決定づける残り1分を切った段階での3Pも比江島だった。この試合のMVPは間違いなく比江島だろう。
その後は、逆転されることなく、日本の流れのままタイムアップ。
第4Qはさすがに興奮して、子どもたちが寝ている横で、大声を上げながらの観戦となった。
 
お祭りムードの中、こんなこと言うと怒られるのだろうが、フィンランドベネズエラも、10回試合をしたら、おそらく半分以上は負けると思われる相手。
そんな相手に、この大一番で勝てるということは、いくつか要因があるかと思う。
ホームコートアドバンテージはもちろんあったと思うし、運が良かったという要素もあるかと思う。
ただ、当たり前だが、それだけでは勝てない。後半でも積極的なディフェンスと走り切る力と、チームの自力が上がってきているのだろうし、点差がつけられても最後まで全力を出し切るという姿勢が運を引き寄せたとも言える。
そして、東京オリンピックで日本女子バスケを銀メダルに導いたトム・ホーバスHCはやはりすごい人なのだろうと実感。2年前の東京オリンピックのとき、あえなく予選リーグで3連敗したときとは明らかに勢いが違っている。
 
さて、残り1試合。勝てば文句なしでパリオリンピック出場権獲得、負けても他のアジア各国の勝敗次第では可能性は残すが、ここまで来たら勝って終わってほしいと願う。
 
ということで、フィンランド戦に続いて、またしてもすごい試合を観ることができた、という話でした。