昨日、新しい漫才賞レース「THE SECOND」が放送された。
結成16年を超えた漫才師に出場資格がある大会で、当初そこまで期待をしていなかったのだが、実力者揃いで面白かった。個人的には、1回戦の前半4組と後半4組では漫才の実力的に差があったのかなと思ったりもしたが、そこは組み合わせの妙といったところか。
演出も、過度な煽りがなく、漫才の時間の比率が高くて良かったと思う。ただ、トーナメント方式ということもあり、最後ちょっと疲れた感もあった。昔、K-1の1Dayトーナメントで、決勝戦は満身創痍の戦いで、必ずしもベストバウトにはならないのをちょっと思い出したりした。
さて、ここでは、「THE SECOND」の審査方法について、思ったことをまとめてみたいと思う。
今回は1対1の対戦で、100人の一般審査員がそれぞれの漫才に対して、3,2,1のいずれかの点数を入れる審査方法。一般審査員である点は、爆笑オンエアバトルと近い感じがするが、1対1の対戦であることと、ボールを入れるか入れないかの2択ではなく、3択あるなのが違うところか。
この方式、表向きは、すごく面白かったら3点、面白かったら2点、つまらかなかったら1点と、絶対評価で点数を入れるように言っていたが、実際は2組の差を2点つけるか、1点つけるか、差をつけないかの3択を選ぶ方式である。あくまでも相対評価になのである。
片方に3点、もう片方に2点を入れれば、その審査員の差は1点。両方3点に入れれば差は0点。この点差こそが1人の審査員の影響力で、この差の積み重ねが結果となる。なので、最終的な点数に(基本)意味はない。
これはかなり考えられた審査方法だと感じた。
事前にルール設計については試行錯誤をしながら慎重に決められたという記事を読んでいたのだが、実際に番組を見て、改めてよく考えられているなと実感した。
仮にこれが、どちらか面白いと思ったほうに投票するという方式だと、ちょっとした実力差なのに、思った以上の点差になるかもしれず、それはそれで悪くないのだが、番組的にはちょっと興ざめしてしまうリスクがあるように感じる。
では、これが差が0点、もしくは1点差のいずれかを選ぶ方式だったら。そのときは差がつきづらく、同点のリスクが高まっていたと思う。
対戦同士の点数差が大きくなりすぎると、1人の審査員の点数が大きく影響するリスクはあるので、今回の最大2点差というのは、絶妙な塩梅と言っていいだろう。
そんなことを思いながら番組を見ていたが、実際、審査面ではストレスなく見ることができた大会だった。
ネタの良し悪しだけでなく、演出や審査方法などのルールも番組の質に大きく影響すると思うのだが、どの点をとってもバランスの取れたいい番組、いい賞レースだったのではないかと思う。
ということで、「THE SECOND」の審査方法が良かった、という話でした。