スピーチとプレゼンと違い

先日、私が以前所属していた団体の周年の式典があって参加してきた。
私はOBなのだが、代表を務めていたこともあって、感謝状をもらって、さらにはそこでスピーチをするという役割ももらっていた。
 
この場でスピーチすることはだいぶ前から決まっており、1年くらい前から何を話そうか考えていて、おおよそこんなことを話そうと決めていた。
しかし、いざそれを原稿に落とすとなると、それはそれで難しい。
本題に入るまでの前フリをどうするか、文章の接続をどうするか、ある程度の長さに収めるのにどうするか、などなど書いているとうまくいかない。
それでも数日前にどうにかこうにか仕上げたもの、それでも長いので短くする必要があるし、いまいちわかりにくいので書き直しが必要になるし、と結局当日朝までブラッシュアップすることになった。
 
さらにはその内容を覚えないといけない。今回のスピーチは文字にすると1500字程度、時間で5分ほど。
もちろん自分で書いた内容なので、大筋は理解しているのだが、接続しを間違えたり、文章の切れ目を間違えたりすると、次につながらなくなったりするので、そういうひっかかるところを中心に練習した。
 
本番はコンサートも行われるような大きな会場で数百人を前でのスピーチということで、数日前から憂鬱だったし、想定したようにはうまく話すこともできず、かんでしまうこともしばしばであったが、どうにか形にはして終えることができた。
 
さて、こんな感じで5分程度のことだったが、かなり大変だった。こういった人の前で話をすることは嫌いではないのだが、今回のようなスピーチはあまり好きではなく、パワーポイントを使ってのプレゼンテーションのほうがいい。
スピーチとプレゼン、同じ人前で話す行為なのだが、何が違うのだろうか。
 
まず、プレゼンではスクリーンに伝えたいことが書いてあるのが大きい。いわば、カンペの役割を果たしてくれる。
基本的には、聞いてくれている人に向けて話すのだが、スクリーン側を見るのはおかしくないので、内容を確認しながら話すことができる。
スピーチでは、原稿を前に置かないことを前提にすると、基本内容はすべて頭に入れておかないといけない。この差がかなり大きいと感じている。
 
次に、時間。これは一概には言えないが、スピーチよりもプレゼンのほうが時間が長いことが一般的かと思う。
そのため、プレゼンの場合は言いたいことを順序立ててきちんと説明できる。一方でスピーチの場合、比較的時間が短いことが多く、要約して伝えないといけない。今回もそうだったが、例を挙げるなどのことができなかったので、聞いている人の理解度を上げるのが難しいように感じる。
 
さらに、プレゼンの場合は言い間違いがあっても立て直しやすいが、スピーチの場合はそれがやりにくい。
スピーチの場合、途中でつまると格好が悪いし、取り返しのつかないことになることもある。ちょっとした接続詞を使い間違えただけで致命傷になったりする。
その点、プレゼンの場合は、スクリーンを見ながらできるので、比較的立て直しが容易だったりする。
 
こんな感じで、久しぶりに大勢の前でスピーチをして、かなり緊張した。どうにか終えることができたが、やっぱりスピーチは難しいなと実感した次第である。
 
ということで、スピーチとプレゼンでは大きく違う、という話でした。