2学期の学校での感染を考察してみる

昨日の記事で、向こう2~3ヶ月くらいは、新型コロナの新規感染者数は高止まり傾向が続くのではないか、ということを書いた。
その大きな理由は、とくに行動制限がない中で、2学期がはじまり、再度子どもの接触が増えるためである。
 
この子どもたちへの感染は、かなり広がりを見せそうな局面で夏休みに突入。この夏休みで一息つくかと思っていたのだが、8月になっても大きく減少することはなく、地域によっては増加するところもあった。
では、夏休みが終わって2学期に入ると子どもたちの感染はどうなるのか。
数字も使って具体的に考察してみたいと思う。
 
ここでは、私が住んでいる山口県のデータを用いて、以下のような前提で考えてみたい。
 
20歳未満の人口が、2020年10月現在、約213,000人なので、ここでは200,000人として計算。
今年の1月から昨日8月22日までの、20歳未満(10歳未満・10代合計)の感染者数は35,777人。ここでは8月末までで累計40,000人が感染すると仮定する。
さらにワクチンの接種率、これは全国のデータだが、0~4歳までのまだ接種できない年代も含めて、20歳未満で2回目接種が終わっているが約40%である。
 
まとめるとざっくりこんな感じになる。
人口:200,000人
オミクロン型感染者:40,000人
ワクチン接種者:80,000人(200,000×40%)
 
合計120,000人が、感染したか、ワクチン接種をしたということで、約60%は免疫を獲得していると計算することができる。
もちろん、ワクチン接種と感染の両方が重なった人もいるだろうが、そこそこ多い数字かと思う。
 
さて、ここからだが、子どもたちの層だけで集団免疫という考え方が有効なのかどうかはわからないが、ここではこの20歳未満の層だけで、集団免疫を獲得するにはあとどのくらい感染が進まないといけないかを考えてみたいと思う。もちろん、これからワクチン接種をする人もいるだろうが、それほど大きく進みそうにもないので、ここでは割愛して考える。
 
オミクロン型の基本再生産数がどのくらいなのかはっきりしたことがわからないが、デルタ型で5程度と言われていた。
この基本再生産数5を利用すると、集団免疫獲得には人口の80%の免疫獲得が必要となる。
となると、200,000人の80%なので160,000人。8月末時点で120,000人が免疫をもっているという仮定なので、あと残り40,000人となる。
 
では、あと何日くらいで集団免疫までいくのか。
この年代の感染者数が1日300人(夏休み直前くらいと同じ)だと、40,000÷300=133日で、4ヶ月強かかることになる。
これが1日500人(8月の平均が590人くらい)だと、40,000÷500=80日で、3ヶ月弱かかる。
 
この数字を見る限りでは、集団免疫まではまだ遠く、やはり2学期に入ったら、学校内での感染が増えそうに思える。夏休みでけっこうな数の感染者数が出ているが、やはりまだ閾値に達するまでではなさそうである。
となると、今後行動制限は出そうにないので、10月以降に実施させるオミクロン型対応のワクチン接種まで待たないと、今回の波は収束しないのではないだろうかと思うが、果たしてどうなるだろうか。
 
ということで、やはりあと2~3ヶ月は第7波が続くのではないだろうか、という話でした。