オミクロン型の流行は会社経営に大きな影響を与えるのではないか

1月に入って、急速に新型コロナの新規感染者数が増加している。
東京・大阪といった都市部はもちろんのこと、米軍基地から感染が広がったと思われる沖縄・山口でも急激な増加が見られ、全国的な広がりになるのも時間の問題だろう。
すでに第6波は始まったと言ってもいいと思われる。
 
現状では、デルタ型とオミクロン型のどちらが優位なのかはまだわからない。地域によっても違うだろうが、今後は感染力の高いと言われているオミクロン型が優勢になるのは間違いないだろう。
 
ところで。今回の第6波、とくに工場を運営する会社を経営する立場から見ると、厄介だなと思っている。
それはこれまで以上に工場の操業リスクが高まると感じているからである。
なぜこれまで以上に、工場の操業リスクが高まるのか、これまでとの相違点をまとめておきたいと思う。
 
1つめの理由は、オミクロン型が感染力の高い変異ウイルスである(と言われている)から。
オミクロン型の変異ウイルスは、感染力が高く、一方で毒性(≒重症化率)が低いと言われている。
毒性の低さから、諸外国ではとくに強い規制をせずに社会を進めるといった政策が取れられている場合もあり、国内でもこのことをもってオミクロンは問題ないと言っている人も多い。
しかし、これは大きな間違いだと思う。
どのくらい毒性が低くなっているのかはわからないが、少なくとも現時点でコロナに感染したら、会社に出ることはできない。出社できないどころか、濃厚接触者の特定がなされて、その人たちも2週間程度の出社停止となる(はずである)。
毒性が高かろうが低かろうが、新型コロナに感染した時点で、また濃厚接触者となった時点で要隔離となる。症状がなかったり、軽かったとしても感染が広がれば会社の操業リスクは高まるわけである。
個人の側から見ると、感染力が高くても毒性の低いウイルスというのはより安全に感じるであろうが、会社を経営する立場からすると、感染力の高いということは(少なくとも現時点では)脅威でしかない。
 
2つめの理由は、年末までの感染者数減でコロナ収束モードになっているから。
去年(2021年)の10月くらいから、全国での新規感染者数はかなり少なくなっており、コロナはすでに収束したようなモードになっていた。
それがここに来ての感染者増である。
オミクロン型が毒性が低いと言われていることと相まって、モードを切り替えられない人が多くいるのではないかと危惧している。もうコロナは収束したというイメージで行動する人が多いと、当然感染者が増える可能性も高くなり、自社の従業員が感染する可能性も高くなってしまう。
 
3つめの理由は、ワクチン接種しているから安全だと漠然と感じている人が多いと思われるから。
日本では国民の約80%が2度のワクチン接種を済ませており、世界の中でもかなり高い接種率にある。
しかしながら、イギリスのデータによると、ファイザーのmRNAワクチン2回接種した場合、6ヶ月経過後で、入院予防効果は50%程度の効果があるものの、発症予防効果に関しては10%程度の効果しかないと言われている。発症予防効果については、時間が経てばほぼ効果はなくなるとみたほうがいい。
しかし、ワクチン接種している人たちは、重症化予防効果がまだあるというデータから、漠然とワクチンの効果は持続していると思い込んでいる人が多いように感じる。
未接種者はもちろんのこと、2回接種者についても、リスクのある行動を取ると、感染のリスクは高いということを十分認識しておく必要がある。
 
以上、3つの理由から、これまでとは異なるリスクがあるように感じている。うちのように工場を運営している会社では、操業ができなくなると大変なので、そうならないように今のうちから手を打っておかないといけないと感じた次第である。
 
今後3回目のワクチン接種がどれだけ進むかにもよるが、おそらく第6波はこれから2~3ヶ月程度続くものと思われる。一方で、この第6波を乗り切ることができれば、徐々に元の生活に戻っていくとも予想されている。
もしそうであれば、この第6波のこれから2~3ヶ月を凌ぐことができればゴールが見えてくる。これが最後の我慢になる可能性が高そうだということも社内に伝えながら、対応していきたいと思う。
 
ということで、第6波で感染を引き起こさないように、あらゆる感染対策をしていきたい、という話でした。