医療崩壊が起きると自然と感染は収まる

9月に入り全国的に新型コロナの新規感染者数は順調に減ってきており、9月末で各地に発令されている緊急事態宣言は解除される見通しのようだ。
緊急事態宣言を解除して、まん延防止等重点措置に移行すべきかどうかについては意見が分かれているが、とりあえず9月末をもって行動制限が緩和されるという流れになるだろう。
 
さて、ここ最近の急激な感染者数減だが、何が要因でこのような現象が起きているのだろうか。素人なりに考えたみた。
 
まず、緊急事態宣言が効いているという説。これはちょっと考えにくい。
もちろんまったく意味がないわけではない。とくにある程度に役職や責任のあるビジネス層には効いているだろう。大企業ではコロナにかかるといろいろと面倒なので、一般の社員含めてかなり警戒しているはずだし、中小企業でもそれなりの立場の人は緊急事態宣言が出ているときに出歩くことは避けるという場合が多いと思う。
とはいえ、この緊急事態宣言がバッチリ効いたから感染者数が減りましたと言われても、ほとんどの人は納得しないだろう。
都市部では飲食側としても自粛の要請を守っている店も少なくなってきているようで、宣言が以前ほど決めてになっていないのは間違いないと思う。
緊急事態宣言自体は、感染者増の傾きを若干下げる効果はあるが、感染者を減らすほうには効果がほとんどないと考えるのが妥当ではないだろうか。
 
では、ワクチンはどうか。これは間違いなく効いているだろう。
とくにこの急激な減少はワクチンの効果によるところが大きいと思われる。
8月までの状況で、ワクチン未接種者が飲みに出歩けば、ある程度の確率でコロナに感染するのは間違いなかったと思われるが、ワクチン接種者が増えていることで、さらにウイルスを家族にうつすといったケースは急速に減っているのではないだろうか。2次感染の多くをワクチンで防いでいるのではないかと考えられる。
ただ、ワクチン未接種者が高リスクな行動を取れば、やはり感染者は減らないはずである。まだまだワクチン未接種の人たちは多く、とくに都市部ではその傾向が顕著である。若い人たちほど未接種の割合が高く、かつ高リスクな行動をとりがちだと考えられるので、この人たちが動けば感染自体は減らないはずである。
 
そう考えると、なぜ感染者数が減っているかが見えてくる。単純に高リスクな行動を取る人が減ったと考えるのが妥当ではないだろうか。
ちょっと前までだったら飲みに行ってたのをやめたとか、朝まで飲んでたのをもう少し早く帰るようにしたとか、2次会まで行ってたのを1次会で帰るようにしたとか、0か100ではなく、各自が(程度の差はあると思うが)行動のリスクレベルを下げたのではないかと考えている。
では、なぜそういった行動を取るようになったか。それはマスコミからの情報だと考える。連日医療崩壊のニュースが流れてくれば、いやでも自ら行動を制限するようになるだろう。またまわりからも制限するように言われるようになるだろう。例えコロナにかかっても重症化することはないと思っていても、いざというときに病院に入れないというのは大きなプレッシャーにはなると思う。
 
まとめると、第5波の感染者数が増えて、医療キャパを超えるようになり、医療崩壊が伝えられるようになって、各自が行動を制限するようになる。全員が全員外出をしないといった極端なものではないだろうが、各自がそれまでよりも行動に制限をかけることになる。それによって、感染者が減り始める。これに加えて、ワクチンの効果が出てきており、感染者数現象の傾きが大きくなっている。と考えるのが妥当ではないかと思っている。
たとえワクチンがなかったとしても、医療キャパを大きく超える感染者が出て医療崩壊が起きると、感染者数は減に転じたのではないか、と思っているのだがどうだろうか。
あわせて、マスクを忌避しない国民性や、継続した手洗いやアルコール消毒も感染者数減に寄与しているかもしれない。
 
ということで、医療崩壊が起きると、それが大きく報道され、それを見て各自が行動を制限して、感染者数が減少に転じる、のではないだろうかという話でした。