感染者数をどこまで減らせるかで、次の波が来るタイミングが変わる

全国の緊急事態宣言が9月末まで延長された影響かどうかはわからないが、各地の新規感染者数は順調に減少してきている。
日本では医療キャパシティ限界まで感染を許容して、限界を超えてくるとそこから行動制限がかかり感染者数も減少していき、そしてまた時間経つと増えてくる、の繰り返しである。
 
で、このサイクルの中では、前の波の終点の底の高さが、次の波の始点となるので、そこが低ければ次の波が来るタイミングは遅くなるし、逆に高いままだと次の波が来るタイミングも早くなる。
感染者数10人からスタートする場合と、100人の場合と、1000人の場合とでは、当然多いほうが次の波は早く来るというわけである。
ちなみに、波の高さ自体は医療キャパシティによるので、どこからスタートして最高到達地点は変わらない。
 
このことを踏まえると、今回の第5波において、どこまで新規感染者数を減らすことができるかで、次の第6波が来るタイミングが変わってくるはずで、今回の緊急事態宣言はおそらくこの9月末で解除されるので、そのタイミングまでにどこまで感染者数を減らすことができるかがカギとなってくる。
 
では、この9月末でどのくらいの新規感染者数になるか。
9月16日の新規感染者数を見ると831人。これが仮に1週間で半減したとして、2週間後の9月30日では約200人となる。
ちなみに東京において、2回目の緊急事態宣言(第3波)が解除された2021年3月21日の新規感染者数は256人で、その約1ヶ月後の4月25日には次の緊急事態宣言が出ている。
さらに、3回目の緊急事態宣言(第4波)が解除された2021年6月20日の新規感染者数は388人で、1ヶ月経たない7月12日には再度緊急事態宣言が出ている。
これを見ると、200人という数字は決して小さくなく、個人的にはせめて二桁に下がるまでは緊急事態宣言を継続したほうがいいと考えるが、おそらくそうはならないだろう。
これまでと違って、ワクチンの接種率も上がってきていて、宣言解除後も感染者数が減っていく可能性もあるので、前回や今回の緊急事態宣言のように、すぐに発出されるということはないかもしれない。
ただ、どちらにしろ次の波が来るのは間違いないので、その波がくるまでの猶予期間を少しでも長くするためにも、緊急事態宣言が解除されるタイミングで、少しでも感染者数が減っていることを願うばかりである。
 
個人的には10月、11月は行動制限がだいぶ緩和されるのではないかと期待しているが、この9月末時点での感染者数によっては、束の間の緩和期間も短縮されるかもしれないと思った次第である。
 
ということで、どこまで新規感染者数が減るかが、感染サイクルを予想するポイントとなる、という話でした。