パーカー5thインジェニュイティは万年筆へのエントリーペンか

パーカーが、第5世代の筆記具として売り出しているペン。
私は今年の年初から紙に日記を書いているのだが、その際にもっと書き心地のいいペンがほしいということで、このペンを購入した。
ちなみに第5世代の前は何かというと、第1世代が万年筆、第2世代がボールペン、第3世代が水性ローラーボール、第4世代が鉛筆、シャープペンシルということらしい。
このペン、買ったのは今年だが、私が存在を知ったのは4~5年前。
どこかの百貨店の万年筆売り場でこのペンを見て、試し書きしたら、そのなめらかな書き味に驚いたのを覚えている。
それ以来、百貨店や文具店に行くたびに試し書きしては、ほしいなあと思っていた。
それならさっさと買ってしまえばいいのだが、何しろ価格が20,000円超。交換用のリフィルも1つが1,000円もするという代物。なかなか簡単に手が出るものではない。
 
そうこうしているうちに時間が経ったのだが、このたび日記を書くという大義名分ができたため、それを自分への言い訳に購入へと踏み切ったわけである。
それから約2ヶ月使ってみたので、良い点と悪い点を整理してみたいと思う。
 
まずは良い点から。
1.何と言っても書き心地がいい
これは買う前からわかっていたことだが、書き心地は最高。これまで私は予備校時代からPILOTのゲルインキボールペンを使ってきており、何本消費したかわからないくらいで、このペンも書き心地は悪くないのだが、パーカーの5thインジェニュイティと比べると、その違いは明白。引っ掛かりがまったくなく、滑らかに書ける。書くのが楽しくなると言っても過言ではない書き心地である。
 
2.にじまない、裏写りしない
紙に書いた後、そこをこすったりするとにじんだり、汚れたりするのが一般的なペンだが、このペンはそれがない。他のペンで書くと、裏から触ると筆圧で紙に凹凸がついたりもせず、このペンだとただインクだけが紙にのっているという感じである。
 
さて、こんな感じで、書くのが楽しくなるペンであることは間違いない。ただ、良い点ばかりかというとそうでもない。
 
使ってみて、ここがイマイチという点が2つある。
1.ペン先が曲がって、次第に書く字も太くなる
このペンはペン先が弾力性があってクセがついていくので、同じ方向で書き続けると、次第に太くなっていく。シャープペンシルで同じ方向で書き続けると芯が削れていって、字が太くなっていくのに似ている。
最初に書いた字と1ヶ月後くらいに書いた字を比べると太さがかなり違い、感覚的には倍くらいの太さになっているように見える。
これは、メーカー側はメリットとして挙げており、書き手の個性が表れてくるようなことを言っているが、私にはデメリットに感じている。
これを解消するには持つ位置を回転させればいいのだが、ちょっとめんどくさいというのが本音である。
 
2.キャップが落ちやすい
ペンを閉じるときはきちんとハマって問題ないのだが、書くときに逆側にキャップをつけるとハマりが悪く、たまに落ちてしまう。
これは個体差かもしれないし、Amazonで30%くらい安いものを買ったので我慢しないといけないところかもしれないが、これが微妙にストレスになっている。
 
他にも留意点として1つ挙げておくと、このシリーズ、いくつか種類があり、形状や重さがかなり違う。実は、4年前に一度、このシリーズの別のペンをAmazonで購入したのだが、そのときは持ち手に段差があるものを選んでしまい、そこにかなりの違和感があったので、すぐに返品してしまった。
今回、購入したのは段差がないタイプ。持ち手に違和感がないのは重要なポイントかと思うので、実際買う際は、この持ち手の部分も考慮しながら、実物を試し書きして購入したほうがいいと思う。
もっと言えば、こういった高額商品はAmazonのような通販ではなく、店頭で買ったほうがいいのかもしれない。
 
以上のように、私としては2ヶ月使ってみて、書き心地がいいというメリットと、書く字が太くなるというデメリットの狭間で評価が揺れ動いているという感じである。
良いペンであることは間違いないが、ペン先が変わらず太さが一定している(だろう)万年筆の購入を検討している。
そう考えると、このペンは万年筆へのエントリーペンであり、万年筆への移行を狙ってつくられたのではないかとも思えてくる。
万年筆というと、価格とメンテナンスの面倒さでハードルがあるが、いったん高級ペンへのハードルをクリアさせた上で、万年筆にもっていきたいという戦略が透けて見える。
1,000円もするリフィルも買ってあるので、当面はこのペンで様子を見ながら、一方で万年筆も少し検討してみたいと思う。
 
ということで、ちょっと高いペンを買ってみたので、その感想をまとめてみた、という話でした。