うちの会社では、今年2年ぶりに1名の新卒入社があり、先日入社式が行った。
入社式と言っても、社長と労働組合の委員長が祝辞が述べて、辞令を渡すだけのシンプルな式だが、こうやって新たな仲間を迎え入れると清々しい気分になる。
さて、その入社式の祝辞での話だが、私は新入社員に1つの宿題を出した。
それは、日記を書く、というもの。
4月いっぱい毎日日記を書く、4月が終わったらそれを読み返す、1年後の4月にまた読み返す。この3つである。
別に長文の日記を書く必要はなく、気分が乗らなければ1行でもかまわないし、今日あったことを書くだけでもいいとした。誰かに見せる必要もなく、ただ自分が思ったこと書けばいいとも。
この宿題を出した目的は2つ。
1つは、初心忘れるべからずとは言うけれども、人間すぐに忘れてしまうものなので、それを記録しておいてほしいという想いから。
人生の節目節目では、想いを新たにするもののだが、それはすぐに忘れさられてしまう。とくに社会人になると、それまでのように人生の節目は頻繁にはやってこない。
それであれば、そのときにどう思い、どう感じたのかを残しておいて、何かあったときに振り返ることができるようにしてほしい。そう思って、この宿題を出した。
もう1つは、今の時代や自分が見たものを記録しておいてほしいという想いから。
コロナやウクライナ危機など、今は後から振り返ると大きな歴史の転換点にいると思っている。仮にそうでなくても、自分が入社をしたときはどういう時代だったのか。日々の生活は徐々に変わっていくので、なかなかその変化に気づきにくいが、これが1年単位、10年単位で見ると大きく変わっていることがある。
そのとき、1つの基点として、入社したときの時代を自分の見た目から記録しておくことが、今後の時代の変化を知るきっかけになるのではないかと思い、この宿題を出した。
ちなみに、この宿題は2年前に入社した社員にも出したのだが、私もこの段階から日記を書くことをはじめた。新入社員にやらせるからには自分もやってみようと思って書き始めたが、この2年間続いている。
書くことで思考が整理でき、頭の中のことを出せるという効用は感じているのだが、新入社員にも言った読み返すということができていないので、この機会に自分も自分で書いた日記を読み返してみようと思った次第である。
ということで、1ヶ月限定で日記を書くという宿題を新入社員に出した、という話でした。