今週は新年度の挨拶まわりで東京に出張に出た。2泊したのだが、ホテルはいつもよく使うドーミーイン。風呂とサウナがあるので、よく利用する。
今回も夜は風呂とサウナを利用しようと思って、大浴場に行った。すると、数人組の若者が入っていて談笑していた。
最初のうちは気にならなかったのだが、どうも長く続くので、ちょっと聞き耳を立てて話を聞いてみると、どうやらどこかの会社の新入社員らしく、全国から集って入社式や研修を行っているらしい。北海道から来たとか、大阪から来たとか、そんな話をしている。
入社でも、入学でも、こういった仲良くなりたては楽しい。風呂でも話が弾むのはわかる。
ただ、このご時世、大浴場とは言え、長時間の談笑はよろしくない。
このご時世ではなくても、風呂場での談笑は控えるべきで、社会人のマナーと言っていいだろう。
広くない露天スペースで3~4人がけっこう長い時間話をしているので、さすがに注意してやろうかと思ったのだが、そのときふとあることが頭に浮かんだ。
この若者たちは、コロナ禍で大学3,4年の2年間は、それまでの学生のような活動をほとんどできなかったのだろう、ということを。
学生の本分である勉強や研究、サークルや卒業旅行といった活動も、多くが制限された2年間だったんだろうな、ということが頭に浮かび、だんだんこの若者たちがかわいそうになってきた。
それだったら、たしかにマナー違反ではあるが、露天スペースであれば感染リスクは低いし、騒いでいるわけでもないので、談笑くらいいいかと思えてきた。目くじらを立てることもないだろう、と。
風呂のマナーは今後どこかで学んでもらうことを期待しつつ、私は静かに外気浴スペースを出て、大浴場から出ることにした。
ところで、こういった様子を見ていると、今年の新入社員はこんな感じで対面での研修を実施している会社が多いのではないだろうか。
同期のネットワークというのは、いろいろなところで会社での仕事で役に立つが、この2年間はそのネットワークもまともにつくれないまま、仕事がはじまった人たちが多かったことを考えると、この会社のように、全国から新入社員を集めて一斉に研修ができていることは、なんとも喜ばしいことだと思う。
ホテルの風呂の一場面から、徐々にではあるが、コロナ禍から通常モードへ戻りつつあることを実感した次第である。
ということで、最初は迷惑だなと思ったが、新入社員よがんばれ、という気持ちになった、という話でした。