マスクを忌避しない国民性は花粉症のおかげかもしれない

先日このブログの記事で、この9月に新型コロナの新規感染者が大きく減った要因について書いた。
そこでは、人々の行動変容が新規感染者が減る直接の原因で、それにワクチンが加わって、ここまで大きく減少するに至ったのではないかと考えた。
 
加えて、マスクを忌避しない国民性というのは、第5波の減少時期だけではなく、このコロナ下においては感染者や重症者を抑えるの大きく寄与していると思われる。
他の国、とくに欧米では、どうにもマスクが苦手なようで、ワクチン接種が進むと同時にマスクをしない生活に戻り、急速な感染増に再び悩まされている。
今後、第6波は間違いなく来ると思っているが、もしそれが低く抑えられるようであれば、マスクの効果は思った以上に高いのかもしれない。
 
では、なぜ日本ではマスクが忌避されないというか、あまり抵抗なく受け入れられているのだろうか。
もともと抵抗がなかったかというと、そうではないと思う。ここ十数年くらいで、徐々にマスクに慣れてきたというのが実態であると考えている。そして、なぜマスクに慣れてきたかというと、花粉症という国民病が大きく影響してきたのではないかと考えるわけである。
 
私は子どものころからアレルギー性鼻炎に悩まされており、花粉症にもそれほど認知される前から毎年苦しまされてきた。
そんな私でも、子どものころから花粉症対策でマスクをつけていた記憶はなく、つけ出したのもおそらく社会人になった2000年ごろからだったと記憶している。そのころも春先にマスクをつけるのにはちょっと抵抗があり、まわりは不審に思っているのではないかと、自意識過剰なことを考えていたのを覚えている。
その後、花粉症のマスクが当たり前になるにはもう少し時間がかかり、多くの人が普通につけるようになったのはここ10年くらいのことではないだろうか。
 
それまでは日本でもマスクをつけるのは、小学生のころ給食のときにつけるか、よほどひどい風邪で咳き込むときくらいにしかつけていなかったように思う。
マスクがここまで市民権を得るようになったのはせいぜい10年くらいのことで、そこには花粉症の広がりが要因としては大きいのは間違いない。
 
そう考えると、花粉症という国民病が、マスクを忌避しない国民性をつくりあげ、それが結果として今回のコロナの感染を抑える要因になっていると考えることもできる。
マスク自体の効果がどこまで大きいか定量化することは難しいが、もし効果が大きいのだとすると、花粉症も悪いことばかりではなかったのか、なんて考えた次第である。
 
ということで、マスクを忌避しない国民性は花粉症のおかげである、という話でした。