緊急事態宣言は何度繰り返されるのか

東京・大阪などの大都市を中心に、3度目の緊急事態宣言が発令されるようだ。
去年の4月、今年の1月に続き、3度目。
これは、あと何回繰り返されるのだろうか。
 
結論から言えば、終息するまでは何度も繰り返されるのだろう。
増えたら抑え込み、そして少なくなったらまた緩和する。この繰り返しを何度でもやることになる。
これでは、同じことの繰り返しになることにそろそろ気づいても良さそうなものだが、そうなる見通しはない。
 
ここで思考実験をしてみたい。
ワクチンの普及などによって、今回の新型コロナウイルスの感染が終息したする。
そして、数年後に同様のウイルスが広がりそうだ、となったとしたら、われわれはどうするだろうか?
 
ほとんどの人たちが、海外との人の往来を禁止しろ、ウイルスを入れるな、と言うはずである。
もし、去年(2020年)の1月に戻れるのであれば、あの時点でウイルスが入ってくるのを是が非でも止めるべきだ、という声が大きくなると思われる。
そして、1人でも感染者が出れば、経済的な制限をかけてでも、どうにかしてそこから拡大しないように封じ込めようとするのではないか。
ある程度増えるまで放っておいて、どうにもならなくなってから策を講じるということにはならないと思われる。
 
要するに、感染者が少ないタイミングで強い制限をかけたほうが、感染者が多いタイミングでやるよりも有効的なのである。
ただ、このことは直観的に理解しがたい。
なんで感染者が少ないときに、強い経済的な制限をかけないといけないのか、となってしまう。
 
1回目の緊急事態宣言が出された後も、新規感染者数は全国でも2桁くらいまで減った。そのタイミングでさらに強い経済的な制限を継続させれば、コロナを抑え込むことは可能だったと思っている。
それができていれば、今ごろは台湾やニュージーランドのように、海外には行けないが、国内で自由に過ごすことができたはずである。
しかし、あのタイミングでさらに緊急事態宣言を延長しようという雰囲気にはまったくならなかったし、私もそう思わなかった。
 
ということで、今回の3回目の緊急事態宣言も、ある程度新規感染者数が減ってくれば、そのタイミングで解除されてしまうであろう。
その時点ではまだまだウイルスは残っているので、そこから再度感染が広がる。
そして、ある一定ラインを超えて新規感染者数が増えてくれば、また緊急事態宣言と、何度でも繰り返されるだろう。
 
さらに、緊急事態宣言を出す新規感染者数のラインがどんどん上がっており、解除のタイミングも早まってしまう(十分減る前に解除してしまう)ため、次の波が来やすくなってしまう。
となると、緊急事態宣言と緊急事態宣言の間隔もどんどん短くなってしまい、結果的にはいつも緊急事態宣言の状態になってしまうと思われる。
 
夏場は冬に比べればウイルスの感染力が多少落ちると思われるので、このタイミングで十分感染者を減らしておいて、少しでも増えてきたら制限をかける、ということができれば、トータルで見ると経済的な損失は少なくなるので、ここで腹を括って、抑え込むという意見が出てきてもよさそうだが、そういった意見は皆無と言っていい。
おそらく今回の3回目の緊急事態宣言でも、それ以降の緊急事態宣言でも、そういったことは期待できないので、今後も同じことが繰り返されることを想定しておきたいと思う、という話でした。

 

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