11月に読んだ本の感想

もう12月も中旬、というか後半戦に入っているが、今さらながら11月に読んだ本を整理しておきたい。
 
本を読もうと思ったときに、何を読むか考えるのがめんどうくさくて、読書が進まないのではないかという仮説に行き当たり、だったら月初に今月読むべき本をピックアップしておけばいいのではということになり、今年の10月あたりから実践をしている。
 
で、11月にピックアップした本は以下のとおり。
・史上最大の木曜日
・物語思考
・未顧客理解
・熟睡者
・100冊で耕す
 
結果から言うと、このうち「史上最大の木曜日」と「物語思考」の2冊しか読み終えることができなかった。
言い訳をすると、うちの会社の管理職向け課題図書の候補として、「熟睡者」を読み始めたのだが、同種の「食欲人」のほうがいいのでは思い立ち、こちらも平行して読もうとしたところ、共倒れになってしまった。
 
なので、ここでは2冊の感想を簡単にまとめておきたい。
 
物語思考
この本の内容は、自分のなりたい状態を想像し、自分のキャラをつくって、そのキャラに沿って物語を転がしていこうというもの。「やりたいこと」を設定するのではなく、「なりたい状態をイメージ」することからスタートすることを勧めている。
 
この思考方法自体は若者向けと言うとおじさんっぽいコメントだが、正直自分で実践しようとまでは思わなかった。
ただ、本書のメインストーリー以外で、面白いなと思ったポイントがあったので、ピックアップしておきたい。
 
1つは、マニュアルどおりやることの意義。
著者のけんすう氏は、本書をマニュアル本と言い切っており、マニュアルどおりにやればうまくいくと説いている。
自身が予備校時代に、予備校教師から「とにかく受験で点数をとって合格すればいい。だから点数をとれるマニュアルを教えます」という言葉があったそうで、それまで学校の先生からは、「学問とは何か」とか「将来役立つから勉強することは大事だ」と言われて、そういうものだと思っていたのが、マニュアルという身も蓋もないやり方を提供してくれたことに心地よさを感じた、と紹介している。
目的と手段というフレームがあったときに、多くの場合では、目的を確認してそこから手段に入るのがセオリーと言われているし、そう思考したほうがうまくいくことが多いと私も思うが、場面によっては手段から入ったほうがいいときもあったりする。
それがどういったときなのか、ちょっと考えてみたいなと思ったりした。
 
もう1つ。環境が人を決める、という考え方。
同書では、キャラを決めて、そのキャラを無理なく続けられる環境に飛び込むべしと説いている。
そういった環境に飛び込むかどうかは別にして、環境が人を決める、というのはほんとそのとおりだと思う。
とくに大人になると、環境を変化させる場面が少ない。いったん会社に入ってしまえば、その環境に居続けることが楽なので、定年までずっと続くこともあり得る。転職だけがソリューションではないと思うが、どういった環境に自分の身を置くか、場面場面で考えないといけないなと再確認した。
 
 
同書は、第13回のアメリカ横断ウルトラクイズで優勝した長戸勇人氏を中心に、そのまわりの人物の人生を丁寧に掘り下げたノンフィクション。
この物語の中心となっている、第13回のアメリカ横断ウルトラクイズが放送された当時、私は小学6年生だったが、夢中になって見ていたのを覚えている。
いつごろから見始めたのかは記憶が定かではないが、年に1度あるウルトラクイズは大好きで、16回まで続いたこの番組を毎年楽しみにしていた。その中でも、この第13回は記憶に残る回で、わくわくしながら見ていたが、この本を読んで、当時のわくわく感が甦ってきた。
このときの出場者は、立命館大学のクイズ研究会所属もしくは出身が多く、ウルトラクイズの翌日は、学校の同級生と立命館大学に行こうなんて話していたのを思い出す。
 
ただ、当時はめちゃくちゃわくわくしながら、翌週を楽しみに見ていたのだが、大人になってからこの回のウルトラクイズを見る機会があり、そのとき正直あまりおもしろくないと感じたのを覚えている。
それは時代が変わったからなのか、自分が歳を取ったからなのか、その理由は明確にはわからなかったが、そう感じてしまった自分に少し驚いた。
 
その点でいうと、今回ノンフィクションという形で、同書に出会えたのは良かった。客観的に整理されている部分と、当時の臨場感が伝わってくる部分と、そのバランスが良い。大人になってから実際の放送を見るよりも、本書のほうがわくわく感を感じることができた。
 
同書の内容が映像化されたらどうなるのかな、なんて思ったりもしたが、それはそれでリスクがありそうなので、書籍にとどめておくのがいいのかもしれない。
 
ということで、11月に読んだ、本の感想でした。