ノートはとったほうがいいのか

昨日、一昨日と「スマホ脳」を読んで思ったことなどを書いたのだが、その続き。
この本を読んで、思いついた問いがもう1つあった。
それは、ノートはとったほうがいいのか、というもの。
 
この問いも古くからあるもので、賛否両方の意見がある。
ノートをとらないほうがいい派の意見として以下のようなものが挙げられる。
 
・ノートをとるくらいだったら、先生の話に集中したほうがいい
・ノートをとることが目的になってしまうので、それだったら内容について考えたほうがいい
・ノートをとることで満足してしまい、肝心の内容を覚えられていないことが多い
 
これらの意見はごもっともなところはある。
ノートをとることが目的になってしまうことはしばしば起こり、それは手段の目的化と言っていいだろう。
また、今回のスマホ脳にもあったように、外部に情報があるとわかると、脳はその容量を節約するために、内容を覚えないことがしばしばある。ノートをとったことで安心してしまい、肝心の内容が頭に入っていないということは起こりうるかと思う。
 
しかし、それでもやはりノートはとったほうがいい、とこの本を読んで私の意見は固まった。
この本の一節に、「記憶するためには、集中しなければならない」とあったのだが、集中するためには、ノートをとったほうがいいか、とらないほうがいいかという観点で考えたとき、ノートをとったほうが集中できると考えるからだ。
 
もちろん中にはノートをとらないほうが集中できる人もいるだろうが、少なくとも自分はノートをとったほうがスイッチが入って集中できるし、大半の人は同じなのではないだろうかと思う。
私はちょっと本気で聞こうと思う講義やセミナーでは、ノートやパソコンを開いて肝心なところは聞き漏らさずメモするようにしている。書くことに集中しすぎてしまうこともなくはないが、書くことによって思考が活性化して、インスピレーションが働くことも多かったりする。
 
そう考えると、よくセミナーなどで「後で資料を渡すので、書くのに集中せずに聞くことに集中してください」と言われることがあるが、これは逆効果なのかもしれないと思ったりもする。ノートをとらなくていいと思うことで、集中力が削がれてしまい、結果内容が頭に残らない可能性が高いような気がする。
逆に、「資料は渡さないので、必要なことはきちんとメモしてくださいね」と言ったほうが、聴講している人の集中力も上がるように思うのだが、どうだろうか。
 
ということで、ノートはきちんととったほうがいいかもしれない、という話でした。