ウルトラクイズに見る、時代を超える難しさ

昨日の記事で、年末感が薄まってきたのは、自分が年を取ったせいか、それとも時代のせいか、ということを書いた。
自分が世代的に上になっていくことによる変化と、時代の変化と、どっちの影響が強いのか考えてみるとなかなか面白い。
 
その一つがテレビ番組。
子どものとき、毎年楽しみにしていたテレビ番組がある。「アメリカ横断ウルトラクイズ」だ。
多くの参加者が、東京ドーム(1987年までは後楽園球場)に集まり、そこで○×クイズで100人にまで絞られ、成田空港でジャンケンに勝った挑戦者が、グアムやハワイ、アメリカの各所でのクイズに勝ち抜き、最後決勝のニューヨークを目指すという、壮大なクイズ番組だった。
 
私はいつごろから見始めたのかは覚えていないが、小学校高学年のころには熱狂したのは覚えており、毎年秋の放送を楽しみにしていた。
当時、立命館大学のクイズ研究会が同番組で常連になっており、将来は立命館大学に行きたいなんてことを友人たちと話したりもしたものだった。
ぜひ、大人になったら参加したいと思ったが、残念ながら中学生のときに終了してしまった。
 
さて、当時熱狂していたウルトラクイズ
ちょっと前に、CSのとあるチャンネルで再放送されるということで、これは見たいと録画をして視聴した。
すると、あれほど楽しかったウルトラクイズが、まったくと言っていいほど面白くなかったのである。
垢抜けていないというか、古いというか。
正直、見るんじゃなかったと後悔した。思い出は思い出のまま残しておいたほうがよかった、と思った。
 
では、なぜあれだけ面白いと思ってものが、今見ると面白くないのか。
2つの可能性があると思った。
 
1つは、自分が成長して、そのコンテンツが年相応ではなくなったという可能性。
要は年を取って、面白いものが変わったのではないかというわけである。小さいのころ熱狂していた戦隊モノも、成長するにつれて見なくなるのと同じパターンである。
しかし、ウルトラクイズは子ども向け番組ではなく、大人も見ていた番組である。当時、私の母親も同じ番組を見ていたが、楽しそうに見ていたのを記憶している。
当時私が大人だったとしても、楽しく見ていたのではないだろうかと思うので、こちらの可能性はちょっと薄いと思われる。
 
もう1つは、時代が移り変わって、企画や演出が時代遅れになっているという可能性。
あのころは海外に行くということがまだまだ珍しい時代。そんな時代背景の中で、参加者が真剣にクイズに取り組む姿が感動を生んだのだと思う。
加えて、演出も時代が変わって古く感じる場面が多い。
ウルトラクイズが今見ると面白くなく感じるのは、こちらのほうの可能性ほうが高いだろう。
 
時代が変わっていくことで、昔見ていたコンテンツに対する感じ方は大きく変わってくるのだと、感じた次第である。
 
ということで、昔面白い思っていたものが時代を超えて面白いと思われるのは、思っている以上に難しいことなのかもしれない、という話でした。