時代は急に変わらない~大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見終わって

先日、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が最終回を迎えた。
毎回、NHKプラスで視聴していたが、同日M-1グランプリが放送されたこともあって、この最終回もNHKプラスで視聴した。
普段テレビを見ないのだが、たまに見たい番組を見るのに、TVerNHKプラスといった見逃し配信サービスは本当に重宝している。とくに子育てをしている私にとっては、リアルタイム以外の視聴機会があるのはありがたい。
 
さて、この「鎌倉殿の13人」、一部、人物の登場が唐突な部分もあり、もう少し丁寧に描いてほしいなと思ったこともたまにあったが、全体的には大変面白かったと思う。
そして、これは今回の「鎌倉殿の13人」だけでなく、毎度大河ドラマを見て感じることではあるが、今回も時代は急には変わらない、ということを実感した。
 
われわれは学校での歴史の授業を通じて、年号と出来事を覚える。1192年に鎌倉幕府ができた、といった具合に(今では1185年らしいが)。
ややもすると、幕府ができるということを境に、世の中が一変したように錯覚するが、当然のことながらそんなことはなく、ひとつの節目でしかない。
今回の大河ドラマでも、平安時代末期から鎌倉時代初期を扱っているが、貴族の世から武士の世に、平家の世から源氏の世に、徐々に変わっていく様子が描かれていた。
 
この、節目をもって時代が変わるわけではない、という最近の例で思い出すのが、国鉄民営化。
1987年に国鉄が民営化してJRに変わったが、このときをもってガラッと変わったわけではない。でもこの民営化をもって確実にJRは変わっていった。
私がその変化を実感したのは、学生や社会人になりたてのときで、当時帰省のときなどに東京駅をよく利用していた。このころは民営化から10年以上経っていたが、東京駅に行くたびにその様子が変わっていることを覚えている。いつもどこかで工事をしていて、次に行くとその場所の新しい店舗ができているのである。
 
民営化の瞬間に何かがガラッと変わったわけではないが、民営化というイベントがなければ、こういった駅ナカの開発は間違いなく行われてなかったと思う。時代は急に変わらないが、節目をきっかけに時代が動きだしたのも事実かと思う。
 
このように何かが起こってから、実際の生活に変化を与えるにはタイムラグがある。
そう考えると、今やっていることが評価されるのは、もう少し後のことであって、今やるべきことをしっかりやることが大事だと、大河ドラマを見ながら感じた次第である。
 
ということで、「鎌倉殿の13人」を見て、時代は節目で急に変わるわけではないことを再確認した、という話でした。