広島ファンとしては、FA流出はよくあることで、まあ致し方なしといったところか。今回も事前に予想されており、また移籍先が別リーグということもあり、比較的好意的に受け止められているのではないだろうか。
さて、ここからの注目はFA移籍にともなう人的補償。
チームで上位の年俸をもらっている選手がFA移籍した場合、移籍先から選手を獲得をできるという制度。
FA選手が移籍する先の球団は28名のプロテクトリストを作成。そこから漏れた選手をFAした選手が在籍していた球団は獲得できる。
FAの人的補償の場合、考える論点は2つある。
1つは、人的補償で取られる側の球団がどの選手をプロテクトするか。
もう1つは、人的補償を受ける側の球団がどの選手を獲得するか。
なので、予想をする際には、まずプロテクトリストの予想をして、その仮のリストを元に、どの選手を獲得するかを予想することになる。
で、この予想動画やブログだが、プロテクトリストや獲得選手の予想と言いつつも、予想と意見の区別がきちんとされていないことがよくある。
予想と言いつつ、自分だったらこの選手を守るとか、自分だったらこの選手を獲得するとかの内容になっているのである。
ここで言いたいのは意見がいけないということではない。予想と言いつつ、意見になるのは良くないといいたいのである。予想であれば、自分がどう思うかではなく、球団がどう思うかを考えないといけないはずである。
プロ野球では開幕前に順位予想というものもあるが、予想ではなく願望となっているケースがよくある。下馬評は低いが、OBなので在籍した球団を優勝と予想するやつなどである。
これなんかも予想ではなく、自分の意見というか願望を答えているだけだったりする。
事程左様に、ビジネスの世界でもこういうことはよくある。今後、状況が良くなるのか悪くなるのかの「予想」を聞いているのに、良くなるだろうという意見というか願望を答えられることがある。誰も耳触りの良い回答を聞きたいわけではないのだが、自己保身もあってか、そんなことがたまに起こったりする。
まあ、プロ野球のほうの話はエンターテイメントの世界なので、そこまでムキになって批判することもないのだが、ビジネスの世界においても、予想と意見(願望)の区別がついていない人が一定数いるので、ここが整理できるといいなと思った次第である。