開幕までに野球本を読んでテンションを上げる

今年もプロ野球が開幕した。
開幕するまではどのチームにも優勝する可能性があって、野球ファンにとっては毎年この時期が最も楽しい。
 
私は子どものころから野球が好きで、小学生のときは少年野球もやっていた(下手だったけど)。
生まれてこの方カープファンで、今でも年に数回は現地での野球観戦に行っている。
 
さて、毎年、この時期は野球に関連する本を読んでテンションを上げるようにしている。そこで今年は何を読もうか思案したところ、カープの前監督緒方孝市氏の著書「赤の継承 カープ三連覇の軌跡」を読むことにした。
緒方孝市氏は言わずとしれたカープのスター選手で、引退後はコーチに転身、2015年から5年間監督を務めた。
 
そんな緒方前監督の著書。
監督としてここまでやっていたのかという苦労がよくわかり、経営者や管理職として考えさせられることが多かったのだが、ここでは一野球ファンとして心に残ったエピソードをその感想をここにまとめておきたいと思う。
 
それは緒方前監督が監督就任の打診を受けて、受諾したときの心境が綴られている場面。
その前の監督の野村謙二郎監督が退任、それを受けて緒方氏に白羽の矢が立った。
緒方氏としては、野村監督の方向性は間違っていないという確信があり、その方向性を継続できれば優勝できると思っていた。誰かこれまでの方向性とは違うことする監督が来て、その流れが途切れることは絶対に避けたい、それであれば自分がやるしかないという心境になったとのこと。
自分が断って、これまで築き上げた流れを他の誰かが壊してしまったら、20数年ぶりの優勝のチャンスを逃してしまう。そうなった悔やみきれないという心境だったという。
 
また、あわせてチームの旬は短いとも感じていた。
自身も三村監督時代に、優勝できるメンバーが揃っていたのに、1度も優勝できなかったという経験があった。
その後、FAやケガなどので、その優勝できるメンバーが揃わなくなり、次第に暗黒期に突入していくのだが、その経験も監督就任を後押ししたようだ。
 
この話を聞いて、とくにカープのように選手を育てる必要があるチームは、そうそう優勝のチャンスはないということに改めて気づかされた。
その千載一遇のチャンスを逃すと優勝はできないし、それまでの積み重ねが崩れるようなことがあっても優勝は遠のいてしまうのである。
 
結果、緒方監督就任1年目の2015年は優勝(CS)を逃すも、翌2016年から3年連続でリーグ優勝を果たすことになる。
自身も2015年の反省があるから、そこからの三連覇につながったと述懐しているが、何年(もしかすると10年以上)か1度のチャンスをモノにしてくれたのだと思うと、感謝の言葉しかない。
(ただ、もしかすると、野村監督がもう1年続投していれば、2015年に優勝できたのかもしれない、とも思ったりもする。)
 
このチームの旬という視点で見ると、今年のカープはその時期ではない。長い過渡期が続いている。
丸のFA、菊池や田中の衰え、鈴木誠也のメジャー挑戦など、全盛期を支えたメンバーが抜けていき、新しい選手が台頭してくる次のチャンスを待つ時期なのである。
もちろん、今シーズンを諦めたという意味ではないが、過度な期待を持たずに楽しみたいと思った次第である。
 
というわけで、今シーズンもプロ野球が開幕したので、テンションを上げていきたいという話でした。