なぜ大人になると音楽を聞かなくなるのか

先日、出張の際に私より一回り若い営業担当とレンタカーで移動する時間があった。
その営業担当は、スマホをカーステレオに接続して、最近のヒット曲を流していたのだが、次第によくわかないということになり、その営業担当が青春期に聞いていた年代のヒット曲に変更するということがあった。
その流れで、音楽の話になったのだが、その営業担当は若いころ(学生のころから社会人になりたて)はよく音楽を聞いていたが、20代後半あたりから聞かなくなったという話になった。
これは私も同様で、学生のころまでは流行りの音楽を聞いていたが、それが続いたのもせいぜい20代までで、30代になったあたりから急に最新の音楽に疎くなったのを思い出した。
私は2001年に社会人になったので、90年代後半が一番聞いていた時期で、00年代前半くらいまではどうにかカバーできていたが、それ以降はよくわからない。
 
では、なぜ大人というか、おじさんになるにつれて音楽を聞かなくなるのだろうか。その理由をちょっと整理してみたいと思う。
 
まず1つめは、暇な時間の有無というのが関係しているのはないだろうか。
要するに、音楽は暇じゃないと聞けない、というわけである。
暇というと、ちょっとネガティブな響きもあるが、必ずしも今必要ではない情報を吸収できる余裕があるとも言える。
そんな余裕や余白の時間があるというのは、学生のころまでで、社会人になって働き始めると、そんな余裕もなくなるということが大きな要因なのではないだろうかと考えるわけである。
 
2つめの理由として、コミュニケーションを取る世代の多様化が挙げられる。
学生のころや社会人なりたてだと、近い世代とのコミュニケーションが中心になるが、仕事が進むに連れて、付き合う人の世代が多様化する、というか年配の人とのつきあいが多くなるため、必ずしも最新曲をフォローしておく必要がなくなってくる。
もう少し具体的に言えば、カラオケで歌うべき楽曲が変わってくるということである。
学生のころは同年代としかカラオケにいかないので、最新曲を歌えるし、最新曲を歌うことこそがニーズであるが、これが多様な世代とのカラオケとなるとそうもいかない。むしろ、その場の最大公約数的な選曲が求められる。今のヒット曲を歌うことが忌避されるため、それを追っかけるニーズがなくなる。
アウトプットする場がなければ、インプットのモチベーションも下がってくるため、次第に音楽を聞かなくなるというわけである。
 
そんなこんなで、最新曲や今売れているアーティストがよくわからないね、という話でひとしきり盛り上がったのだが、一方でもう少し年配の人が最新曲をよく知っていたりする。
それは子どもの影響で、主に小学校高学年以上の子どもがいると、自然と最新曲がインプットされたりするらしい。
うちは上の娘が現在小学2年生で、もう2~3年くらいすると、そういった音楽に興味を持ち出すだろうから、そのときは音楽の話題にこたえられるように、そろそろ研究をはじめようと思ったりしている今日このごろである。
 
ということで、それなりのニーズがないと音楽は聞かない、という話でした。