ガチャガチャのプライシング

昨日、一昨日に続いて、またもやガチャガチャの話。
私は子どものころ、中学になるまではお小遣いもなかったし、ガチャガチャをねだってもやらせてもらえないことがわかっていたので、敢えてそちらに関心を寄せないようにしていた。今思えば、マシュマロテストの優等生のような対応である。
それに対して、小学1年生の娘は物心ついたときからガチャガチャをやりたがるのだが、今回はその話ではない。ガチャガチャの価格について。
 
昔、私が子どものころ、大抵のガチャガチャは100円だったと記憶しているが、今は200円、300円は当たり前。中には400円や500円のものまである。逆に100円のものはほとんどお目にかからない。
直近の物価高でこのような価格になったわけではなく、少なくとも数年前からこんな感じの値付だった。このデフレの30年間に価格が2倍以上になっているガチャガチャ業界の強気な姿勢には脱帽するばかりである。
 
他の業界では例を見ない値上げを断行しているわけだが、なぜこんなに強気な価格が通用しているのか。
ちょっと考えてみたのだが、思い浮かんだ理由は3つ。
 
1つは、少子化の影響で、単純に1人の子どもにかけられるお金が増えたこと。
6ポケットではないが、親だけではなく、おじいちゃん・おばあちゃんまで含めれれば、ガチャガチャの1つくらいどうってないということだろう。100円だろうと200円だろうと大差がない。
昔は子どもが少ない小遣いを捻出して買っていた印象が強く、そうであれば安価でないと購買にはつながらないが、親や祖父母が出すのであれば少々高くなっても誤差の範囲でなのであろう。
 
2つめは、親が甘くなっているから。
私のような昭和生まれ平成育ちだったり、なんなら平成生まれの親も多い昨今、その前の世代の昭和生まれ昭和育ちに比べると、子どもに対して甘い親が増えているのではないだろうか。
より正確に言うと、子どもに甘いというより自分に甘くて、子どもが駄々をこねるくらいなら、数百円くらいの出費で済ませてしまったほうが考える親が多いと考える。自分もご多分に漏れずそんな感じで、アメやハイチュウですぐにご機嫌を取ったりしていているが、ガチャガチャでも同様のことが起きていると考える。
 
3つめは、子どもだけでなく、大人も購買するようになったから。
最近は多種多様なガチャガチャの販売機が増えており、中には大人がコレクションしたいようなものも多い(らしい)。いわゆる大人買いする人たちもいることは想像でき、こういった層はそれなりに収入もあるだろうから、安く販売する必要もない。
 
こんな感じで、ガチャガチャの価格づけの理由を考えると、学べる点はいろいろとあるなと感じる。
お金をもっている層に売り込むこと。あわせて、使用者と購買者を分けるという考え方も、価格を維持・上昇させるのに有効に働いているはずである。
 
私自身、自分の会社のビジネスにすぐすぐ反映させることは難しいのだが、こういった視点も頭に入れておいて、何かのチャンスにこれらの考え方を使ってみたいと思った次第である。
 
ということで、ガチャガチャ業界はデフレ下でも強気の値上げを成功させていた、という話でした。