コロナで一番影響を受けた世代はどこか

コロナ禍もはじまって丸2年経つ。
個人的には、いろいろと行動は制限はされたが、子どもとの時間が増え、悪いことばかりではなかったと感じている。
経営している会社の業績も最初はかなり落ち込んだが、それ以降どうにか持ち直して、今のところは事なきを得ている。
感染の特徴や対策のキモについては理解できているつもりなので、旅行やレジャーにも出かけることができ、あまり不自由ない生活を送っているというのが本音のところである。
 
一方、この2年間で、行動が大きく制限され、これまでとは同じことを経験できずその年代を終えてしまった人も多いと思う。
とくに若い世代は、その年代でしか経験できないことも多く、感染対策を優先させないといけないとはいえ、その貴重な時間が過ぎて去ってしまったという点においては非常にかわいそうであると思う。
 
ただ、若い世代と一括で書いたが、もう少し細かく見ると、この中でも経験できなかったことの大きさには差があるように思う。
以下では、どの世代が一番かわいそうだったのか、ちょっと解像度を上げて考えてみたいと思う。
 
まずは幼児。未就学の世代だが、私の娘(6歳)がこれに当たる。幼稚園初年度こそ行事は普通に行われたが、後半の2年間はいろいろと制約を受けた。参観日などの親が集まるような行事は軒並み中止、感染が広がると一斉休園になったりと、親も含めていろいろと大変だったと思う。
しかしながら、先生たちが工夫を重ねてくれて、運動会やクリスマス会、音楽会といった主要行事は、規模を縮小しながらもほぼ実施していただいた。
親たちは休園時の対応など非常に苦労も多かったと思うが、子どもたちの視点から見れば、それまでがどうだったのかはわからないので、とくに不自由があったり、残念だったという感情は(ゼロでないが)少なかったと思う。
 
では、小学生はどうか。
ここからは、見聞きした話からの推測にはなるが、小学生もそれほど制約を受けたという印象はない。
一番影響が大きいのは修学旅行で、とくに2020年度に6年生だった児童は修学旅行に行けなかったケースが多いかもしれない。ここだけ見ればかわいそうだとは思うが、裏を返せばこれくらいで、おそらく他の行事は(規模の縮小はあったと思うが)実施されたのではないだろうか。
もちろん修学旅行に行けなかった影響はあるかとは思うが、他の世代と比べてかわいそうだったかと言われれば、それほどでもないのではないかというのが私の感想である。
 
次に、中高生。
ここからは部活もあるので、そこでの制約が大きかったという点においては影響が大きかったと思う。活動したくてもできなかった時間も長かっただろうから、部活に青春の多くの時間を費やそうと思っていた中高生にとっては、影響が大きかったかもしれない。
ただ、それでも部活動の時間がゼロになることはなかったし、活動自体は工夫を重ねながら行われたようで、まったく経験ができなかったということではなかった。全国大会などの主要な大会が中止になったケースも多かっただろうが、これらに参加できる生徒数が全体に占める割合は大きくない。
他の学校行事については、小学生と同じような感じではないだろうか。体育祭や文化祭の準備を夜遅くまでやるような経験はできなかったかもしれないが、それでもすべて中止ということにはならず、何らかの経験はできたのではないだろうか。
 
では、大学生はどうだろうか。
私はここの世代が一番制約を受けて、かわいそうだったと思っている。とくに、2020,2021年度に入学した大学生。
小中高生でも大半は対面授業だったのに、大学生はリモートの授業が多かったと認識している。昨今の環境や学生のリテラシーを考えるとリモート授業は技術的には難しくないのだろうが、リモート主体では人的なつながりはつくりにくく、とくにこれまでとは環境や人のつながりが一変する大学生にとっては苦労というか孤独の感覚が大きかったと推察する。
また、翌日のことを気にせずに飲んだり騒いだりできる大学生の特権が剥奪された。正直なところ、私の場合、学生時代の思い出の多くは飲み会にあるといっても過言ではないので、この時代に学生だったらと思うと、かなり気が滅入る。それどころか、友だちもまったくつくれずの2年間だった可能性すらあると思う。
 
たしかに、大学生の場合は、対面授業にしたとして、授業自体は感染リスクはそれほど高くないと思うが、そのあと喋ったり、ごはんを食べに行ったり、飲みに行ったりの時間での感染の可能性はかなり高い。そういった点を考えると、当初リモート授業が多かったのは致し方なかったと思うが、さすがに2年経った今、小中高生より大人なのに対面授業ができないのは理不尽であると思う。
コロナ禍はじまってもう2年が経つので、次の年度は対面授業主体のカリキュラムにしてあげてほしいと思う。
 
それ以降の世代については、この2年間で会社に入った人も影響は大きかっただろう。
通常であれば、この期間に同期や会社の人たちとのネットワークをつくって今後に活かしていくところ、それがほとんどできなかったというハンデを背負わされたと思う。
しかしながら、これは今後挽回が可能であり、そういった点を考慮すれば、まだまだ救いはあるのではないかと思うのだが、どうだろうか。
 
われわれのようなおじさん世代は特段大きな影響はないと思う。飲むのが好きな人にとっては、その回数が減ったのはかなしいことかもしれないが、それだけである。
感染の原理原則さえ理解しておけばできることも多く、やりようによっては、いろいろなことを楽しむこともできるので、影響は軽微だったと言っていいと思っている。
 
と、こんな感じで、私はこのコロナの2年間で一番影響を受け、かわいそうだった世代は大学生だと思っている。経験できるはずだったことができなかった割合、そして影響を受けた人が全体に占める割合、そのどちらも大きい。
4年間という貴重な時間のうち2年が過ぎ去ってしまってしまったが、残りの2年は少しでも大学生にしかできない経験ができるようになることを願ってやまない。
 
ということで、現在大学生の世代がコロナで一番影響を受けたのではないか、という話でした。