会社の未来は経営者しか語れないのか

先日、うちの会社の来期の計画を立てる会議があった。
会社を取り巻く環境を確認することができ、これから年末にかけて具体的な数値計画に落とし込むための準備ができた、有意義な会議になったと思う。
 
さて、その中で、5年後の会社を想定して、どうなったら成長したと言えるか、どういう成長を目指すべきか、という問いを参加した管理職に投げてみた。
会社の成長といえば、売上高の継続的な増加を意味することが一般的だと思うが、私自身、売上だけではない、違う種類の成長を模索してみたいと思いもあって、上記のお題について考えてもらった。
 
何か興味深いが答えが出てくることを期待していたのだが、結果として出てきた答えは、売上や利益をちょっと具体的にしたものか、何かつくってほしいという要望のようなものかになってしまった。
答えを聞いたときはちょっと残念な気持ちになったのだが、次の瞬間、これは仕方ないなと思い直した。
 
その理由は2つ。
 
1つは、会社の成長の定義は、経営者にしかできないことだと気づいたから。
経営者自身が思いつかないことを、会議の場で管理職に考えてもらったところで、良い答えが出てくるはずがない。前から薄々わかりながらやってもらったことで、冷静に考えれば、無理がある。
これは、能力云々の話ではなく、構えの問題で、経営者とそれ以外の人たちではスタンスが違うのである。
この問題は経営者である私自身が考えないといけない問題だったことに遅ればせながら気づくことができた。
 
もう1つは、会社の成長と言ったら、これはやはり売上が増えていくことしかないのではないかと思ったから。
このことについては、私自身が考えきったわけではないので、言い切ることはできないが、会社の「成長」という言葉を使う限り、それはやはり売上の継続的な増加を意味すると考えるのが自然なのだろうと思う。
売上以外の数値が大きくなることを考えたときに、利益が増える分にはどこかで頭打ちがくるし、従業員の給料だって利益が増えなければ上げることができないので同じことである。
だから、成長を目指すと言ったら、やはり売上を伸ばしていくことを考えるべきだし、それが目標にならないと判断するのであれば、成長という言葉は使わないほうがいいのだろう。
 
ただ、まだあまり深く考えていなかったので、私自身が考えるべき問いとして、年末にかけてもう少し深掘りしてみたいと思う。
 
ということで、経営者自身が考えつかないことを、部下に考えさせてもいい答えが出るはずがない、という話でした。