質問にそのまま答えないことの弊害

最近、うちの会社の会議で問題だと感じることに、質問に対してきちんと答えないことが多い、というものがある。
例えば、今月の売上はどのくらいになりそうかと聞いたとする。すると、1000万円ですと答えればいいのに、それには答えずに延々と言い訳をするのである。
競合が安い価格を出してきたとか、環境が悪いとか、こちらはそんなことを聞いていないのに、勝手に目標未達の理由を答えてくるのである。
未達のときだけかと思ったら、達成しているときでも、うまくできた理由を並べてくるなんてこともあるのだが、私はこれに困っている。
 
なぜ質問にそのまま答えてくれないと困るのか。これには3つの理由がある。
 
1つは、質問する側の立場からだが、会議や議論が前に進まないから。
一般的に会議で質問するのは上席の立場からが多い。質問する立場からすると、純粋に質問に対する回答がほしいのにそれが返ってこないだけでなく、加えて延々と言い訳が展開されるので、二重の意味で時間が奪われてしまう。議論の精度を上げるために質問しているのに、それが返ってこないと前に進まないので、改めて聞き直すことになってしまう。
 
残りの2つは、質問を受ける側の立場からの問題で、1つは失言をしてしまう可能性があるから。
質問を受ける側で、質問にきちんと答えることができない人は、言い訳をしなければという思考に陥っており、加えて間が怖いという心理が働くから、とりあえず何か言おうとする。すると失言とまでは言わないまでも、言わなくてもいいことを言ってしまい、余計に追及を受けるなんてことになってしまう。
これが社内の会議であれば大きな問題はないが、取引先や利害関係が起こるような場面で起こるといいことにはならない。
聞かれたことに忠実に答えておけば、失言の可能性を減らすことができるのである。
 
質問を受ける側の立場からの問題でもう1つの理由が、マインドが後ろ向きになってしまうから。
これは理由というよりかは、結果としてこうなるという側面もあるが、常に言い訳を言っていると自信がないようにまわりから見えてしまうし、実際に少しずつ自信が失われているのだと思う。
何を聞かれても追及されているようなマインドに陥ってしまい、いいことはないので、それを回避するためにも、質問にきちんと答えるということを意識的にやってみるのがいいと思う。
 
私自身、会社の会議でも折を見て、質問にきちんと答えるように促しているが、なかなか難しいようで、定着していない。けっこう根深いものがあるように感じている。
繰り返し言い続けるしかないのかな、と思っている今日このごろである。
 
ということで、質問にそのまま答えることは思っている以上に難しい、という話でした。