あさがおという定番商品

娘(小学1年生)の夏休みの宿題に、あさがおの観察というものがあった。
夏休みの始まってから、車で学校まであさがおの鉢を取りに行き家に持って帰り、宿題自体は夏休み期間のうち1日の様子を絵日記にまとめるというもので、夏休みが終わったらまた学校に持っていかなければならないらしい。
 
そんなあさがおを見て、自分が小学生のときもあさがおだったことを思い出した。
私が小学生だったのはかれこれ40年近く前のことになるが、変わったのは植木鉢がプラスチック製に変わったことくらいで、少なくともこの間、あさがおは小学1年生の教材として選ばれ続けてきたのだろう。
 
なぜ、あさがおはこれほど長いこと選ばれ続けているのだろうか。ふと気になった。
そこで、ここではあさがおが定番商品として、小学1年生の学習教材というポジションを維持しつづけている理由を考えてみたいと思う。
 
理由1、強い。
この夏休みの期間だけ見ても、娘も私も忘れていて水をあげない日がけっこうあった。中には連続して3日くらい水をあげていない日もあったかと思う。
それでも枯れずに生き残っている。部分的に枯れることはあるのだが、それでも久しぶりに水をあげると復活するのである。
土には最初から肥料を入れているのかもしれないが、水やりにムラがあったとしても、きちんと育って花が咲く。
花の成長に差がつきにくく、少々ほったらかしておいても花が咲くということは、小学校低学年の学習教材としては非常に優れていることに気づいた。
 
また、私が子どものころと比べて、夏の気温が2℃くらいは上がっているのにもかかわらず、同じように花を咲かせているところを見ると、少々の環境変化でも生き残る種なのだろう。
 
理由2、育成の期間が比較的長い。
1学期の途中で種を植えてから、夏休み前後に花を咲かせて、2学期に次の種ができるまで、比較的長く育成・観察ができる。夏休みの宿題にもなる。
四季の変化と花の変化がリンクしており、植物の入門編としてはわかりやすい。
この成長の過程の長さが絶妙で、重宝される理由の1つになっていると感じた。
 
理由3、(そこそこ)きれい
どの鉢のあさがおも、同じようにカラフルな花が咲く。色とりどりできれいな印象もある。
きれいな花が咲くというのは、達成感も感じやすいのではないかと感じた。加えて、最後に種が取れることも育てきったという感覚を得られやすいように思う。
あさがおのわかりやすいきれいさというのも、小学1年生という低年齢の子どもの教材として選ばれている理由として大きいのではないかと思った。
 
こんな感じで、あさがおは小学校低学年の子どもの特性から考えて、非常に優れた存在であることに気づかされた。
ただ、これらの条件を満たす花は他にもあるかもしれない。それでも、あさがおが選ばれ続けるのは、学校という組織の保守的な側面もあったりするかと思う。
何か新しいものを試そうという風土がないという負の側面もあるだろうが、子どもの大事な1年で失敗ができないという側面もあったりするので、あさがおはこれからも選ばれ続けるのだろうと思った次第である。
 
ということで、保守的な環境では1度ポジションを取ると強い、という話でした。