ちょっと前のことだが、Twitterを見ていたら、こんなツイートが流れてきた。
金曜日の夜中の番組で田原総●朗も『今回の戦争はバイデンが一番悪い』と力説してて『なんでやねん』と思ってたが、どうもテレビに出る知識層()の一部には『プーチンが侵略するのは地震や台風のような災害の一種で、被害が出るのは災害対策を怠ったせい』といった特殊思考が根強くあるような。
— 図星 (@zuboc) 2022年5月4日
今回のロシアによるウクライナ進攻が行われた原因はいろいろあると思われる。
アメリカのバイデン大統領の言動が、その原因の1つであるかどうかと言われれば、私もそう思う。バイデン大統領がバカ正直に言わなければ、今回の進攻は回避できたかもしれない。
ただ、この原因がどうかということと、そのことが悪いことかどうか別問題である。
客観的に見て、誰が悪いかと言われれば、それはロシアだし、プーチンである。
この原因と良し悪しを分けて考えるということは、思っている以上に難しいことなのではないかと思っている。
卑近な例で申し訳ないが、先日うちの1歳半の息子が昼寝をしていて、上の娘が音を立てて起こしてしまうということがあった。
もう少し寝かせておきたかった私は、思わず「あーあ、起きちゃった」と言ってしまった。
こちらとしては、娘に悪気があったわけではないことはわかっているし、それ自体が悪いこととも思っていないのだが、娘は「私のせいでしょ」とヘソを曲げてしまった。
そこで、私はたしかに息子が起きた原因は娘が音を立ててしまったことにあるが、別に悪いことではないよ、と説明したのだが、娘は「私のせいって、言いたいんでしょ」とご機嫌ナナメなままであった。
このように、たしかにそれが引き金で起きてしまった(悪い)ことであったとしても、原因の自体も悪いとは言えない、ということは多々ある。
冒頭のバイデン大統領の言動も、引き金になってしまったのかもしれないが、少なくともロシアやプーチンの行ったことに比べれれば悪いことではない。
ただ、一因になったということと、その良し悪しをを切り分けて考えることは、思っている以上に難しく、よほど意識していないとそういった意見に引きずられてしまうなと、このツイートと娘の言動を見ていて思った次第である。
因果論で考えるということは、人間が進化していく中で強化してきた思考法なので、意識しておかないと良し悪しと混同してしまう、という話でした。