「させていただきます」という表現は、好き嫌いの問題か、良し悪しの問題か

Voicy「西野亮廣エンタメ研究所」の7月12日の配信の冒頭で、西野氏がよく「宣伝をさせていただきます」と言うのに対して、許可を得る必要がないのから「宣伝します」と言ってほしい、というコメントがあったことを紹介していた。
 
そのコメントをした人は、会社でも部下や後輩に、「~させてください」という表現せずに、「~です」「~します」と言うように指導しているとのことだった。
それに対する西野氏の回答は、一言「知らん」。このVoicyの配信コンテンツは西野氏のルールで表現させてもらいたいという回答であった。
 
この配信を聞いて私も思うところがあったので、ここでまとめておきたいと思う。
 
まず、毎回Voicyの配信の冒頭で西野氏が「宣伝をさせていただきます」と表現する点について。
「させていただきます」は、相手に許可を得て行動をする際に使う言葉であるので、西野氏の配信コンテンツで西野氏が誰かにでわざわざ許可を取る必要はないと私も思う。
ただ、一方でリスナーの時間を奪っていることに対して申し訳ないという気持ちから、「宣伝をさせてください」という表現するのであれば、間違いとは言い切れないと思う。
よって、ここだけ取れば、あくまでも好き嫌いの問題で、西野氏が好きなほうを選べばいいと思う。
 
ただ、私は西野氏のオンラインサロンに入っていて、毎日更新される記事も読んでいるが、西野氏の記事や発言の中には、たしかに「させていただきます」という表現が多い。相手の許可をまったく必要としないところでも、とりあえず「させていただきます」「させていただいております」としていることが多い。
また、組織名や団体名、コンビ名や番組名、商品名に対しても、やたら「さん」づけをしていて、自分のところのスタッフにも「スタッフさん」としていたりする。
 
これは、西野氏がこれまでいろいろなところで炎上したり、発言を誤解されたりしてきた中で、こういった言い回しの部分で上から目線と思われたくないという思いから、意識してか無意識でかはわからないが、こういった表現を使うようになったのではないかと思っている。
 
それはそれでわかるのだが、一方でこういったムダに丁寧な表現に違和感があるものも事実。さらには有名人や影響力がある人がこういう表現をすることで、みんなが過度に丁寧な表現をしなければいけないという流れになることは、あまりよくないことだと思う。
 
 
今回の西野氏の「させていただきます」問題。全部が全部とは言わないが、誤った使い方も多いし、西野氏のような影響力のある人が、リスクを避けて過度な(しかも誤った)丁寧表現をすることで、みんながみんな丁寧過ぎる表現を求められるようになるのは窮屈な感じがするので、言葉の使い方にはちょっと気を使ってほしいなと思った次第である。
 
ということで、好き嫌いの問題で片付けるのではなく、良し悪しの問題で捉えるべきではないか、という話でした。