テレビを消して夕食をとる

この春でうちの娘は小学生になった。当たり前のことだが、小学生になったからといって急にいろいろと成長するわけではない。
多少自覚が芽生えて、娘が登校するのに私がついて行こうとすると拒否してくる、といったことはあるのだが、基本的なことは変わっていない。
幼稚園のときにできなかったことが、小学生になったからといってできるようになるわけではない。
 
このもともとできなくて、今でもできないことの中に、ごはんを集中して食べるということがある。
親の私から見て、集中力があるほうではない娘なのだが、その集中力のなさが如実に表れるのが食事のとき。
外で食べるときはあまり感じないのだが、家で食べるときは、甘えもあって食べるのがとにかく遅い。
1歳半の息子と比べても遅く、息子が食べ終わっているのに、娘のほうはまだ半分も残っているということがよくある。
 
そこで娘の食事を観察をしてみたのだが、そこでわかったのが、集中力がないということもあるのだが、何かと同時に食事ができないということもあることがわかった。
例えば、テレビを見ながら食事をしていると、テレビのほうに意識がいってしまい、手と口が止まってしまう。そこで、私や妻から注意されてまた食べるのだが、再度テレビに意識が向いてしまい、食事の手が止まる、この繰り返しである。
他にも、話しながら食事をしていると、話すほうに集中してしまい、食べるほうが止まってしまう。
そんな感じなので、テレビを見ながら、さらに話もしながらの食事だと、テレビと話をすることとで食事に意識が向かないのである。
 
そこで私が子どものころを思い出してみたのだが、テレビや会話に集中しすぎて食事の手が止まるということはなかった。
バランスよく、テレビと会話と食事に時間を振り分けていたと記憶している。
私含めて兄弟が3人いたので、うかうかしているとおかずがなくなるというのもあったかもしれないが、どちらにしろテレビを見ていて食事が遅れるということはなかった。
 
話は戻って、娘の場合だが、少食でマイペース、食への執着もそこまで強くなく、また下の息子がまだ小さいことを考えると、うかうかしていると食べるものがなくなる危険性もない。そんな環境なので、食事に意識を向けさせるのは難しそう。
そこで正攻法ではあるが、当面(娘には夏休みに入るまでと言ってある)夕食のときはテレビを消してみることにしてみた。
食事とテレビと会話の3つを同時にこなすのが難しいのであれば、1つ減らして、食事と会話の2つにしてみるというわけである。
 
最初は駄々をこねる娘だが、テレビがなければないですぐにそれに順応する。
私もこれまでは娘がテレビ見ていることをいいことに、どちらかというと放っておくという感じだったが、これを機に小学校での話を積極的に聞くようにしてみた。
娘も食事に絡めて給食のこととかを話してくれ、これまでこういった会話が少なかったことを反省した。
娘も話し出すと食事の手が止まってしまうが、そこは私が食事に意識を向けるよう促せばよく、そこも含めてとりあえずはいいコミュニケーションが取れそうな気がしている。
 
テレビを消すということは、娘を食事に集中させるために行ったことだが、副産物的に会話の量と質が改善されたように感じている。
娘も慣れてくれば、テレビと会話と食事のバランスを身につけることができるだろうが、まだそこまでのスキルがないようなので、当面はテレビなしでの運用をしてみようと思っている。
 
ということで、子ども(に限らないかもしれないが)は同時に複数のことをこなすのが難しい、という話でした。