史上初のマイナスゲーム差の優勝は起こるのか

私は生まれてこの方、プロ野球カープファンで、40代になった今でも年に数度は球場で観戦するなどしているくらいの野球好きではある。
ただ、今年は序盤からの失速で、正直あまり注目しないシーズンになっているが、ここに来て3位の巨人が大ブレーキ。昨日(10/16)最後の直接対決も制し、ゲーム差は3にまで縮まった。
今月はじめに取引先のカープファンの方と話したとき、その方はもしかすると逆転CSもあるかもと話されていたが、そのときはさすがにそれはないだろうと思っていた。しかしここに来て、まだ可能性としては低いものの、ない話ではないと思い始めてきている。
カープファンの間ではにわかに盛り上がりを見せているが、あまり見せ場のなかったシーズンなので、最後くらいはハラハラしてみたいものである。
 
さて、今回はそんなCS争いのことを書きたいわけではない。ヤクルトと阪神優勝争いについて、あることに気づいたのでそのことをここでは書いてみたい。
 
2チームの10月16日現在の勝敗数は以下のとおり
1位:ヤクルト 70勝47敗17分 勝率.598 貯金23 残試合9 マジック6
2位:阪神   73勝54敗08分 勝率.575 貯金19 残試合8 ゲーム差2
 
この順位表を見て、私はあれ?と思った。
マジック6ということは、ヤクルトは残り試合6勝3敗で優勝である。このとき、阪神は残り8戦全勝でも追いつかないということになる。ただこのとき、ヤクルトは貯金26、阪神は貯金27でゲーム差では阪神がヤクルトを上回るのである。
念のため、勝率を確認したら、この場合ヤクルトが76勝50敗で勝率.603、阪神が81勝54敗で勝率.600となり、たしかに勝率ではヤクルトが阪神を上回る。
規定では勝率が高いほうが上位チームとなっているので、ヤクルトが優勝となるのだが、違和感があるという人も多いのではないだろうか。
 
ちなみに調べてみたところ、これまでマイナスゲーム差での優勝の例はないらしく、もし起こると史上初のケースになるらしい。
 
この勝率とゲーム差(貯金差)の違和感について、いろいろなところで説明されているが、わかりやすい例としては100試合のリーグ戦があって、Aチームが99勝1敗、Bチームが1勝0敗99分けであったら、Aは勝率.990、Bは勝率.1000でBが優勝ということなる。ただし、貯金数はAが98、Bは1なので、ゲーム差は-48.5となる。
これがもしも、勝ち+2点、引き分け+1点、負け0点といった、勝ち点方式だと、Aは勝ち点198、Bは勝ち点2となり、Aが圧倒的大差で優勝となる(ちなみにこの勝ち点方式だとゲーム差とまったく同じ結果になる)。

現行のNPBの規定では勝率で上位チームを決める。同率の場合セ・リーグでは勝数が多いほうが上位となる(パ・リーグでは当該球団間の勝率が優先される)。このとき、一瞬貯金数が多いほうにすればいいのにと思ったが、必ず勝数が多いほうが貯金数が多くなるので、これで問題ない。
仮に、ヤクルトが残り試合5勝3敗1分だと勝率.600となり、阪神が全勝の場合と並ぶ。このときは、同率となるので勝数で上回る阪神が優勝となる。
 
さて、ここからが本題だが、勝率とゲーム差をどちらを優先させるほうがいいのだろうか。
 
上述した99勝1敗と、1勝0敗99分のケースではないが、勝率で比較すると(上位チームでは)引き分け数が多いほうに有利に働いてしまう。引き分けが多ければ多いほうが、1勝の価値が上がってしまうというわけである。
少なくともこのケースでは99勝したほうが優勝とすべきと思う人がほとんどだと思う。だとすればゲーム差で判定するほうが妥当なのだろうと思うのだがどうだろうか。
別に阪神の肩を持つわけではないが、ちょっと変だよなと思った次第である。
 
ということで、もし史上初のマイナスゲーム差での優勝となったとき、来シーズン以降の規定が変わるのかどうか興味深いなと思った、という話でした。