ワクチン接種に見る、何と何を比較するかという話

ここ最近、私の直接の知り合い2名(この2名自体は関係なし)がワクチン接種しない、と言っていた。
それを聞いてちょっと驚いたのだが、ここでワクチンの重要性を説いても仕方ないので、その話題自体スルーすることにした。
詳しくは聞いていないが、どうやらワクチン接種に伴う副反応がこわいということのようだった。
 
私の妻も似たようなもので、接種直前になって急にこわいと言い出した。
このときは、あれやこれや説明して、どうにか接種することを納得してくれたのだが、よほど身内でもない限り、こういった説明をすることはできない。
 
このようにワクチンを忌避する人に見られる傾向としては、ワクチンがこわいかどうかという視点だけで、意思決定しているように思われる。
しかし、本来は、ワクチンを接種したときと接種しなかったときで、ワクチン自体のリスクとコロナに罹患したときのリスクをあわせて評価しないといけない。
 
ワクチンを接種しないときは、ワクチンの副反応はないが、コロナ罹患時の発症リスク(重症化リスクや死亡リスク)がある。
ワクチンを接種したときは、ワクチンの副反応はあるが(さらに長期的には大きな弊害がないとは言い切れない)、コロナ感染リスク・発症リスク・重症化リスクは大きく下げられる。
この2つのリスクを足し合わせて、評価しないといけない。
私はこれらのリスクを勘案すると、ワクチンは接種したほうがいいと判断したが、きちんと比較した上で、ワクチン接種しないほうがリスクが低いと判断するのであれば、それもひとつの考え方だとは思う。ただ、ワクチンを忌避する人はそういう思考になっていないように思われる。
 
こういったことは他でもよくある。
先日、とある社外の会合で、これまで提供を受けていたサービスが値上がりするということで、継続するかどうかが協議されたのだが、ここでも比較すべきはこれまで受けていた価格と新しく値上げとなる価格の比較ではなく、その会社サービスと他社のサービス内容(価格含む)の比較である。
いくら値上げがあったとしても、他社と比較して優位であるのであれば、継続してサービスの提供を受ければいいだけである。
 
要は何と何を比較して意思決定すべきか、それをよく整理すべきということである。
比較対象が正しければ、あとはどう評価するかはその人次第だが、評価対象が正しくなければ正しい意思決定に行き着く可能性は低くなってしまうので、避けなければいけないと思った次第である。
 
ということで、ワクチンに限らず、この何と何を比較するか整理するのが苦手な人が多い、という話でした。