ワクチン接種に見る、ベストな選択に固執しずぎてベターも選択できなくなる愚

遅ればせながらではあるが、昨日やっと新型コロナウイルスのワクチン接種の第1回を済ませてきた。
待望のワクチン接種ということで、ちょっとうきうきしながら、とはいえ注射を打つことと副反応の不安もちょっと抱えながら接種会場へ向かった。
オペレーションは、基本スムーズで、会場についてから約10分後には接種終了、そこから休憩を入れてもトータル30分ほどで終わった。
接種前の診察してくれる先生の態度が横柄だったこと以外は、特段不満もなく接種を済ませることができた。
 
昼前に接種して、その後の副反応は、数時間まったく何もなくて逆に不安になったくらいだが、夕方くらいから接種部の痛みが出てきて、夜にははっきりとした疼痛を感じるようになった。一晩明けてからは、腕の痛みがはっきり強く出てきており、ちょっと重い物を持ち運ぶのはきつい感じになってきている。また体温も37℃ちょっとと微熱。
想定内かつ許容範囲内ではあるが、今後どういった反応が出るのか、また2回目の接種のときはどうなるのか、しっかり自分の身体を観察してみたい。
 
さて、今回私はモデルナ製のワクチンを接種した。
私の住む自治体では、7月中旬から高齢者以外のワクチン接種の予約を開始したのだが、予約サイトを訪れてみると、どの接種会場もファイザー製の接種だったが、どの日時も締めきられており、予約できない状況が続いていた。
ちょっと先の予約もまったく行われていないことから、希望者が殺到したというよりかは、供給側にワクチン準備の不安があり、まだ予約を受け付けられる状況にないと推測した。
 
そんな状況だったので、1回目の接種は9月にできれば御の字、下手すると10月にずれ込むかなと思っていたら、7月の下旬にモデルナ製ワクチンの接種枠が公開され、予約サイトを訪れてみると、昨日の8月7日の枠が1つだけ奇跡的に残っていたので、躊躇せずに予約して、どうにか1回目の接種にこぎつけたわけである。
どうもまわりに話を聞いてみると、モデルナ製のワクチンよりファイザー製のほうが副反応が小さいという情報があり、それでモデルナを敬遠する人が多いらしく、それで私は予約できたようである。
私は、ファイザーとモデルナで有意な差はないというか、どちらでも早く打ちたいと思っていたので、こういったどうでもいい差で迷う人が多いということにちょっと驚いた。
 
ところで。最近では、とくに都市部の感染拡大を受けて、アストラゼネカのワクチンを接種を検討する動きが出てきている。
よく聞く、ファイザー製、モデルナ製がmRNAワクチンと言われるもので、mRNAというウイルスの設計図を身体に打ち込むタイプ。一方のアストラゼネカ製は、ベクターワクチンと言われるもので、他のウイルスに新型コロナの設計図のようなものを入れて、細胞まで運ばせるタイプ。
どちらも新しい技術と言われており、効果としてはベクターワクチンよりはmRNAワクチンのほうが高いと言われているが、アストラゼネカ製も従来のタイプのワクチンよりかは効果は高いとされている。
 
日本は効果の高いファイザー・モデルナのmRNAワクチンを確保しているが、タイムリーに入手できないため、少しでも感染拡大を防ぐために(少し効果の劣る)アストラゼネカ製のワクチンを投入しようといった措置が検討されているようだ。
 
ここからは私の推測だが、まず今後都市部だけでなく、地方を含む全国にこの第5波がやってくることはまず間違いない。
となると、ファイザーだモデルナだ、とmRNAワクチンの種類でどうのこうの言っている余地はあまりないように思う。
mRNAワクチンはいずれ希望する人たちの分を入手できるだろうが、いつ入ってきていつ接種できるかが重要な局面になってきており、そのタイミングが遅れればコロナに感染してしまうかもしれないからだ。
さらに言うと、ファイザーやモデルナといったmRNAワクチンは接種できないけど、アストラゼネカだったら接種できるという状況になったときに、あとでファイザーやモデルナ打てるからとスルーした人たちが、その間にコロナに感染してしまうということも起こりうるだろう。
 
ベストな選択(ファイザーのワクチン接種)に固執しすぎて、ベストな選択と同等のベターな選択(モデルナのワクチン接種)や、これまたかなりベターな選択(アストラゼネカのワクチン接種)をスルーして、最悪の結果(コロナの感染)になってしまうパターンが増えそうな気がするのだが、どうなるだろうか。
 
実際、沖縄ではアストラゼネカ製を優先配分しようという政府からの提案を断るということも起きている。
感染拡大を防ぐために少しでもワクチン接種者を増やさないといけない状況で、この判断は悪手だと思うのだが、どうだろうか。
 
ということで、ベストを選択することに固執して、ベターな選択もできない状況にならないようにしたい、という話でした。