やっている感を出したいのか、横並びを意識しているのか

2021年9月中旬現在、新型コロナの新規感染者数は全国各地で減少傾向にある。この後どうなるかはわからないが、ひとまずはほっと一安心といったところだろうか。
そんな状況の中、私の住んでいる地域では、緊急事態宣言が出ているわけでもまん延防止等重点措置が出ているわけでもないのだが、8月末から飲食店への時短営業の要請を続けている。この12日で終了予定だったが、月末の26日まで延期するということになった。
新規感染者数が減少傾向にある中、要請の延長が必要かどうかは議論が分かれるところではあるが、これについては一定の理解はできる。やはり飲食店での感染(+そこからの家庭内感染)がほとんどであることから、この措置自体は致し方ない面はあると考えている。
 
だが、今回の飲食店への時短要請とあわせて、図書館や公園といった自治体が管理施設があわせて休館になっているのだが、このことには関しては疑問を抱かざるを得ない。
先日も、子どもとちょっと大きめの遊具が置いてある公園に遊びに行ったのだが、ご丁寧に貼り紙が貼られており、月末まで利用禁止と書かれてあった。
 
こういった、野外の施設に関しては当然のことながら換気はバッチリなので感染リスクはかなりは低い。また図書館のような基本的に会話をしない(しかもマスクありの)場所での感染リスクもかなり低い。こういった比較的安全な場所まで利用禁止にすることは意味がないと思われるが、2021年の9月になってもこういったことが起こっていることに憤りすら覚える。
 
では、なぜこういったことが起こるのか。ちょっと考えてみた結果、理由が3つほど思い浮かんだ。
 
まず1つめは、感染リスクに関する理解が、1年半経った今でも十分ではないという可能性。さすがにこのような対策が意味がないことくらいはわかっていると思うのだが、もしかするとそうでもないのかもしれないと思えてくる。このあたりの真相は担当者にでも聞いてみないとわからない。
 
もし、意味がないとわかっているとすれば、以下の2つが理由だろうか。
2つめは、対策をとりやすいところでやっている感を演出するため。自治体の管理している場所であれば、直接指示が出せるので対策をしやすい。一応感染対策をやってますよという雰囲気を演出するために、図書館や公園の利用を禁止している、そういう可能性はけっこうあるかもしれないと思っている。
 
3つめは、飲食店に時短営業を要請している手前、横並びを意識をしているため。飲食店だけに負担を強いるのかという批判をかわすためにやっているという可能性もあるかと思う。民間の飲食店だけに感染対策をお願いするのではなく、行政もがんばってやってますよ、というアピールにはなる。
 
実際のところは、2と3のあわせ技といったところだろうか。
 
ただ、個人的には、こういった批判をかわすためというか、感情論を優先させて意味のないことをやるのは好きではない。
それでも、少しは感染対策の意味があるのであればわかるが、図書館や公園と施設を利用禁止にすることで、よりリスクの高い場所に人が集まるというリスクまで考慮がされておらず、逆効果になる可能性だってある。
コロナの問題も発生してからもう1年半、そしてこれからも少なくともあと1年くらい、長ければ3~5年くらい付き合っていかないといけないことを考慮すると、そろそろ科学的な根拠に基づいた対策を徹底するというモードに切り替えてほしいと思った次第である。
 
ということで、感情論を優先させた対策はやめにしよう、という話でした。