アクリル板設置に見る、意思決定のための区分

新型コロナの感染対策として、アクリル板を設置しているところは多い。
コロナ禍で取引先を訪問すると、応接等に置かれているところも多いのだが、個人的にはこれってどこまで意味があるんだろうと懐疑的に見ている。
マスクをしている前提であれば、飛沫が身体の外に出ていく量は限られるので、あってもなくても変わらないと思うのである。
飲食の場やテレビの撮影など、マスクをしないことを前提にしているところであれば効果がなくもないかもしれないが、それでも限定的と考えたほうがいいと思っている。
 
ところで、コロナ対策に限らず、なにかしらの意思決定するときに、私は以下のような区分でいったん仕分けをして、その上で判断するようにしている。
1.大きな効果がある
2.やるに越したことはない
3.やってもやらないくても大差ない
4.やるとマイナスがあるかもしれない
5.やると悪影響が大きい
 
1は問答無用で採用すればいいが、2については余裕があればやればいいと思っている。あまり大きな効果が得られないことにまで細かく求めると疲弊することがあるからだ。
また、細かいことまで求めすぎると反発を招いて、1の大きな効果があることもきちんとなされないことがあるので、そうならないように気をつけている。
 
例として妥当かわからないが、以前結果にコミットするジムに通っていたときに、毎回食事内容を報告していたのだが、ほんとに細かいところまで指摘されて、嫌になりそうになったことがある。
調整豆乳を無調整豆乳にしろと言われたときは、たしかに無調整のほうがいいのだろうが、無調整に変えることでどこまで効果があるのかと感じたものだった。
上記区分の1にあたる指摘は素直に聞けるのだが、2のようにやるに越したことがないことまであれこれ言われるとやる気を削がれるという側面もある。
 
さて、冒頭のアクリル板についてだが、個人的には2と3の間くらい、もっと言えば3に近い類の対策だと考えていた。ただ、膨大なコストがかかるわけでもないので、社内で設置したいということであればとくに反対もしなかった。
 
なんてこと考えていたら、コロナ対策としてのアクリル板設置に関して、こんな記事が出ていた。
 
内容としては、アクリル板を設置することで、正常な気流や換気が妨げられ、ウイルスが滞留してしまう可能性があるというものであった。さもありなんという感じではある。
上述の区分で見れば、2か3かと思っていたら、4の可能性が高いということである。
 
だからといって、大きな悪影響があるわけでもなさそうなので、社内のアクリル板の撤去しろというつもりもない。
2,3,4に区分されるものは、基本「やりたければやれば」でいいと思っている。
2,3,4に区分されることまで細かく指示していると、指示しているほうの労力もかかるし、指示されるほうのやる気も削がれるので、大事なことに集中したいと考えている。
ただ、上述のような区分と、それぞれにおいて自分はどのように行動するかという大まかな考え方を整理しておくと、事あるごとに悩まなくてもいいので紹介した次第である。
 
ということで、大差がないような細かいことまで口出ししないほうがいい、という話でした。