コロナ対策用のアクリル板設置に見る、「みんながやっているからやる」ができない

この1年で、会議室や応接室、なんなら職場の机にもアクリル板をつけるところが増えている。
もちろん、新型コロナの感染防止のためで、ほんと多くの所で見かけるようになった。
 
このアクリル板を設置すること自体は悪いこととは思わないのだが、正直なところ、私は(ほとんど)意味がないと思っている。
飲食店や小売店で設置するのはわかるのだが、普通のオフィスの会議室や机に設置することについて、である。
 
飲食店のようにマスクをしない時間が長いところであれば、無症状の感染者からの感染を防ぐためには、あったほうがいいかもしれない。
また、コンビニなどの小売店のように不特定多数の客が来るようなところであれば、発症者がいないとも限らないので、店員を守るという意味ではビニールのようなものはあったほうがいいかもしれない。
 
ただ、いわゆる職場というか、オフィスのようなところでは、必要ないと思うのである。
基本、発熱があったり、咳を頻繁にするような人は、このご時世オフィスにいないはずである。となると、感染者がいたとしても基本無症状のはずで、またマスクもしているので、よほどの短距離で長時間会話でもしない限り、感染は起こらないはずである。
そうなると、オフィスにおいては、アクリル板があろうがなかろうが、感染が起こる可能性はかなり低いし、仮に感染が起きたとしても、アクリル板があることによって防げる可能性はほとんどないのではないかと考えている。
むしろ、アクリル板があるからといって、マスクを外す頻度が上がったり、換気への意識が薄くなるほうがこわいと思ってしまう。
 
要するに、アクリル板の設置は、感染対策としてはほとんど意味がないけれど、感染対策をやっている感を出すためのものだと思っているわけである。
 
とはいえ、アクリル板を設置することで有意に感染確率が上がるわけでもないので、みんながやっているのなら、右に倣えでやればいいという考え方もあるとは思う。
しかしながら、私はこれができない。
なので、うちの会社ではとくにアクリル板を設置するように指示もしていない(設置するなとも言っていないが)。
 
話はちょっと変わるが、うちの会社をとりまく業界では、メールなどの宛先に「部長様」や「課長殿」のように、役職+敬称をつける慣習がある。
これなんかも、その慣習に従っておけば良さそうなものだが、明らかに誤用なので、少なくとも社内では使わないように指示している。
 
良く言えば、正しいと思うことに正直であるということなるが、悪く言えば融通がきかない、である。
あまり考えずに、まわりと同じようにやる、ができればいいのにと思うこともあるが、できないのだから仕方ない。
それによって大きな不利益を被ることがないように気をつけてたいと思う。
 
ということで、みんながやっているからやる、ができないという話でした。