オリンピックを途中で中止していたら感染者はもっと増えたのではないだろうか

オリンピックが終わってからも、新型コロナウイルスに関するデータを追っているが、なかなか厳しい状況が続いている。
ただ、東京の新規感染者数の推移を見ていると、ここ数日上げ止まっているように見える。
 
これはオリンピックをテレビ観戦するためのステイホームの効果が出てきているとみるか、それとも検査数が追いつかずに新規感染者数が頭打ちになっているとみるか、判断の難しいところである。
陽性率は20%を超えており、まだまだ無症状の陽性者はいるとみるのが自然だろうか。
 
ところで。オリンピックはコロナにどういう影響を与えただろうか。ちょっと考えてみたい。
 
オリンピックが開幕してからの人流の減少ははっきりとあったという人と、わずかであったという人と分かれている。
各種データや識者の意見を総合すると、減少はしているけれど、新規感染者数が減少するほどの減り方ではない、といったところか。
 
オリンピックがコロナにどういう影響を与えたかという問いに対する論点は、オリンピックに開催による人流の減少効果と、オリンピック開催による危機的状況のメッセージが届きにくいという負の効果と、どちらが大きかったか、ということになると思っている。
これはどちらにも解釈することができるし、何とも言えない、というのが正直なところである。
 
ただ、思考実験としてこう考えてみるとどうだろうか。
もしオリンピックを「途中で」中止したとしたら。
 
この場合、もうステイホームする理由がなくなったからと出歩く人が増えるという(コロナ感染抑制にとっては負の)影響と、そのことによって危機的状況にあるというメッセージが国民に届くという効果と、どちらが大きかっただろうか。
 
これに関して言えば、おそらく前者のほうが大きいのではないかと、私は思う。多くの国民にとっては、オリンピックがあったから自粛の気を紛らすことができたというのが、実感ではないかと思うからである。それこそオリンピックが中止されたら、多くの国民にとっては逃げ場のようなもの失われた結果になったのではないだろうか。
 
オリンピックがあったから感染者数が減ったとまで主張する気はないが、少なからず感染者増の抑える効果くらいはあったのではないかと感じたというわけである。
おそらく、政府にはオリンピックを途中で中止するという選択肢はなかったと思われるが、コロナに対する影響という面においても、結果としては最後までやりきってよかったのではないかというが、私の感想である。
 
ということで、オリンピックやってよかった、できてよかった、という話でした。