3x3はオリンピック競技すべきでないと考える理由

オリンピックも4日目が終わった。日本勢の活躍もあり、盛り上がりという点ではもう問題ないだろう。
そんな中、私は今大会の中でも楽しみにしていた試合をテレビで観戦した。それは男子バスケットボールの予選の日本対スペイン戦である。
 
私は学生時代にバスケをやっていたこともあり、またNBA選手2名を要する日本代表ということもあり、男子バスケットボールはきちんと観ようと思っていた。
ここ最近はNBAもまったく見ていないし、Bリーグもぜんぜんチェックしていないが、にわかファンとして盛り上がろうと思っている。
この初戦は、同時間に男子体操団体決勝や卓球の混合ダブルスの決勝もやっていたが、今回はバスケを選択した。
 
結果は惜しくも破れたものの、ワールドカップの王者のスペインに相手に11点差ということで、善戦といってもいいのではないだろうか。途中、同点に追いつくシーンもあり、大いに興奮した。
体操や卓球は見れなかったが、こちらを選択したことに後悔はなく、満足のいくテレビ観戦だった(体操も卓球もメダル獲得ということで、本当はどちらも見たかった…)。
 
予選リーグはあと2試合。
次戦は開催国なのになぜか平日の昼間の試合。このあたりはどうにかならんのかと思ってしまうが、3試合目のアルゼンチン戦は日曜の昼ということで、楽しみにしたいと思う。
 
バスケと言えば、今回のオリンピックでは、3x3も競技として採用されている。
3x3と言えば、要するに3on3と言われるもので、5人制の半分のコートで、交互に攻守が変わりながら行う競技である。
私も学生のころ、人数が少なかったり、コートが全面取れないときなどによくやっていたものである。
 
さて、この3x3、どのような経緯で競技として採用されたのかは知らないが、おそらく競技としての裾野を広げたいという理由で、バスケットボールの協会が提案をしたのだろう。
しかし、私はこういった本家の下位互換(と言われると怒られそうだが)のスポーツをオリンピックの競技に採用するのは反対である。
 
その理由は2つ。
1つ目は、これを認めだすといくらでも競技数や種目数が増えてしまうから。
3対3がありなら、1対1でもいいとなってしまう。
ビーチバレーも同様だが、これも砂浜ではなく芝生でもいいではないかとか、2対2ではなく3対3ではどうかと、組み合わせは無限に増えていく。
フットサルはオリンピック競技にはなっていないが、サッカーであればPK戦だけをやる競技だっていいではないかとなりかねない。
これらとはちょっと異なるが、最近は冬季オリンピックフィギュアスケートの団体とか、今回のオリンピックでも柔道の団体とか、卓球でも混合ダブルスがあるが、これらも組み合わせを考えるといくらでも増やせてしまう。
そうなるとメダルの価値も徐々に下がってしまうし、また節操のない競技や種目の拡大をするくらいであれば、他のスポーツを採用すればいいのにと思うのは私だけだろうか。
 
もう1つの理由は、本家スポーツで代表になれる選手が、こういった競技に鞍替えする可能性があるから。
バスケの例でいくと、いわゆる5人制のバスケで代表入りできるような選手が、メダルを獲りに行くために3x3に出場するといったケースが出てこないとも限らない。
まだ、ビーチバレーとバレーであれば、競技としての性格が異なるのでこういったケースは聞いたことはないが、5人制の普通のバスケと3x3のバスケの相違点は少ないので、近い将来十分あり得ることかと思う。
そうなると、5人制のバスケの競技レベルが下がり、ひいては本家のプレゼンス低下という結果を招いてしまう危険性もあるかと思うが、どうだろうか。
 
先日、テレビで少しだけ3x3を見たのだが、やはりわざわざオリンピックでやる必要はないのではと感じた。
今後、オリンピック競技として定着するかわからないが、3x3に限らず無節操に競技や種目を増やすのはどうかと思った次第である。
 
ということで、なんでもかんでも増やせばいいというわけではない、という話でした。