阿部兄妹の金メダルでオリンピックの成功は確定か

柔道2日目。注目の阿部兄妹が見事にそろっての金メダルを獲得した。
おそらく、これで今回のオリンピックは「盛り上がり」という意味ではやってよかったという方向に向いていくと思われる。
前日の土曜日でその流れはできつつあったが、その他競技での日本勢の活躍も含めて、完全に流れは固まったと思う。
 
そう考える理由は2つ。
1つ目は、おそらく月曜以降の情報番組やワイドショーでは、オリンピック関連の話題が大きく取り上げられるから。
これまでコロナ関連の話題ばかり取り上げていた番組でも、最初からオリンピックのニュース一色になるだろう。コロナの感染拡大を受けてオリンピックに反対していた番組も、おそらく手のひら返しでオリンピックを話題の中心にもってくると思う。
私は平日テレビを見ることができないので、確かめるのは難しいが、ネットの話題などに注目して、流れの変わり目を確認してみたいと思っている。
 
もう1つは、これまであまり関心を持たなかった層や、日和見だった層もオリンピックを見出すから。
ビジネスパーソンは、話題についていくためにもメジャー競技くらいは抑えておこうと思う人が増えてくるし、主婦層もテレビで取り上げられるという1つ目の理由が引き金になってチェックしだすだろう。
何はともあれ、これでオリンピックについては知っておかねばと思う人が増えてくる。
 
そして、そういう人が多くなると、テレビもオリンピックに多く時間を割くようになり、さらに見てみようと人が増えてくる。1つ目の理由と2つ目の理由が、相乗効果を生み出し反復しながら、エネルギーが増大していくようなイメージでオリンピックは盛り上がっていくと考える。
 
おそらく大会関係者や政府関係者は胸を撫で下ろしているのではないだろうか。
盛り上がりという点においては、何よりもスタートダッシュが大切であるが、とくに柔道の2日間の活躍でいいスタートダッシュを切れたことは間違いない。
 
こうなると、あとは無事に大会を終えることができるかどうか。無事に終えることができれば、オリンピックは盛り上がったね、という印象が残るはず。
 
ただ、無事に終えることができない可能性があるとすれば、選手間の感染拡大と都内(と中心とした国内)の感染状況の推移。
前者はちらほら選手やスタッフから感染者が出てきており、けっこう微妙な状況と見ている。どこかで感染が広がるような事態になり、競技が行われないということが起きるとトーンは思い切り下がるし、さらに大会自体を中止せざるを得ないような状況になったら、盛り上がったとか盛り上がってないとかいうレベルではなくなってしまう。
選手間の感染防止については、ワクチン接種やルールの策定・運用など、事前準備でカバーできる範囲なので、キッチリやっていると思っていたが、どうもそうでもなさそうなので心配している。
 
後者の都内の感染状況については、新規感染者数は増加傾向、重症者数もじわじわ増えはじめている。こちらについては、どれだけ感染者が増えようとも最後までオリンピックはやりきると予想するが、新規感染者がこれまで見たことないような数字になってしまうと、せっかくできた流れもまたコロナのほうへ戻ってしまう。また、オリンピックの話題でもちきりになり、行政からのメッセージが届きにくくなってしまうことも懸念される。
オリンピックによって気が緩み感染が拡大する方向に向くのか、逆にテレビでの観戦のおかげで感染者数が減る方向に向くのかわからないが、どちらにしろオリンピックでの行動変容が数字に表れるのは2週間後でのそのころにはもう終わっているが。
 
以上のように、オリンピックの盛り上がりに関しては、いったんは大きな流れができたと感じている。コロナなどオリンピック以外で大きな動きがなければ、このまま盛り上がったままで推移しそうだが、果たしてどうなるだろうか。
 
ということで、あとはコロナ次第、という話でした。