オリンピックというパッケージの価値

オリンピックが盛り上がっている。
始まるまでは賛否が真っ二つに分かれていたが、今となってはやってよかったという人のほうが圧倒的に多いのではないだろうか。
コロナ禍での開催の是非ついては、未だにいろいろな意見はあるが、始まってしまえば、自国開催ということもあり、テレビはチャンネル回せば、何かしらの競技を放映しており、多くの人の関心はオリンピックに向いている。
 
なんでここまで盛り上がるのだろうか、と冷静に考えてみたところ、やはりこれだけの競技が一堂に会するお祭り感はなかなかないという、当たり前の結論に至った。
開幕する前は、オリンピックなんかやらなくても各競技で世界選手権やワールドカップをやればいいという意見も多数あったが、パッケージ化されたオリンピックというシステムの威力をまざまざと見せつけられている。
 
そもそも、各競技を見てみて、オリンピックよりも世界選手権やワールドカップのほうが人気や権威が高いものはそう多くない。
ざっと眺めてみたところ、サッカーとラグビーくらいだろうか。
サッカーに関してはオリンピックのほうを23歳以下という制限を加え、ラグビーは15人制ではなく7人制で行っており、ワールドカップのステータスを保っている。
 
あと、テニスやゴルフ、ボクシングあたりは、世界選手権やワールドカップという名前ではないが、世界的に権威のある大会があり、多くの選手はそちらのほうを重視している。
 
それ以外の競技は、基本世界選手権やワールドカップよりもオリンピックのほうが権威があると言っていいだろう。
野球やバスケはアメリカのプロスポーツの影響も強いこともあり、世界大会よりもMLBNBAの優勝のほうが格が上という感じはあるが、競技別の世界大会とオリンピックのどちらが権威があるかという比較であれば、まだオリンピックのほうに歩があるか(野球のWBCとオリンピックの比較は微妙だが)。
 
そうなると、各競技の世界大会よりも権威がある試合が、同じ地域で同じタイミングに行われるオリンピックの価値というのはやはり高いと言わざるを得ない。
 
私自身、オリンピックを前向きにきちんと見るのは、2000年のシドニーオリンピック以来で、シドニーのときはまだ学生で時間が比較的あったが、それ以降は社会人になって忙しかったこともあり、オリンピックにはあまり興味関心を持たずにこれまで過ごしてきた。
今回はコロナ下での開催ということもあり、自国で開催されるオリンピックをきちんと見ておこうということで、いろいろな競技をチェックしているが、きちんと見るとやはり面白い。
多くの競技があるという、お得感というかお祭り感は、個別の世界大会ではなかなか出すことができないと実感した次第である。
 
ということで、オリンピックというパッケージの価値はまだまだあるのではないかと感じた、という話でした。