禁酒してみようかなと思った話

去年(2020年)は、コロナの影響で、飲み会の回数が激減した。
私はビジネス会食を積極的にやるほうではないのだが、それでもコロナ前のここ数年は、外での飲み会は年に150~160日くらいであった。
週に3日くらいのペースだろうか。
 
それが去年は数えてみたら74回。半減していた。
感覚としてはもっと減ったかと思っていたが、月によってバラつきがあり、4,5月のようにまったくなかったときの印象が強いのと、純粋なビジネスの会食が減ったのとで、そう思っていたのだろう。
 
では、この減った分、家で飲んでいたかというとそうでもない。もともと晩酌することは少なく、家ではほとんど飲まない。
4,5月は、いろいろとストレスもあり家で飲むことも多かったが、それでもせいぜいビール350mlを1本だけで、それ以降は前のペースに落ち着いてきた。
また、去年あたりから、家でのビールもノンアルコールビールでいいかと思うようになり、最近は家ではノンアルコールビールを1本だけ飲むということが多くなっている。
 
そのおかげもあってか、体調もいい。
コロナ前は2次会まで行くと、たいてい次の日の午前中は使い物にならなかった。もちろん仕事はするのだが、頭を使う仕事はできない。昔に比べると回復のスピードが鈍化しているのを痛感していた。
それに比べて、去年は二日酔いになること自体がほとんどなく、仕事に影響が出ることもなく、スッキリとした毎日を過ごすことができていた。
 
ここまでくると、もう禁酒してもいいんじゃないか、と少し頭をよぎった。
学生のころからけっこう飲んできたし、酒は嫌いではないが、ないと生きていけないというほどでもないし、飲まなければ仕事も万全で臨める。
 
一瞬やめてしまおうかと、頭をよぎったのだが、やはり考え直すことに。
理由は3つ。
 
1つは、会食などのときに、一人だけ飲んでいないことで、場が白けるという心配から。
私自身、飲まない人がいると、それはそれでさびしいなと思うことが多く、もちろん強要はしないが、飲めるなら飲みなよと勧めることは多い。
やはり、みんなが飲んでいるという一体感が、参加者の気持ちを軽くして、場が盛り上がるという側面は否めない。
 
2つめは、これまた会食で、とくに気乗りしないようなときにアルコールがないときついから。
酒を飲んでおけば、自然とテンションが上ってきて、人見知りな私でもどうにかこうにか乗り切れるのだが、アルコールがないとテンションのコントロールが難しい。
飲んだほうが手っ取り早いと思ってしまう。
 
とこんな感じで、盛り上がっているときは飲みたいし、盛り上がっていないときは酒の力を借りたほうがいいし、ということで後ろ向きだが、まだ止める必要はないという結論に至った。
 
さらに、3つめ。
ほどよく酔っ払ったときの多幸感が、まだあるから。
最近よく感じるのだが、キャンプで娘が寝てから一人で飲むときや、出張に出ても会食がなくホテルで一人でごはんを食べるときなど、2,3杯飲んだあたりでなんとも言えない多幸感につつまれることがある。
そんなささやかな幸せを感じることができるのであれば、無理に止める必要ないかなと思ったわけである。
 
と、こんな感じで、結局止めることはしないのだが、自分はアルコールの何に価値を感じているかを考えるいいきっかけになった。
とはいえ、アルコールの量自体は減らすに越したことはないので、無理に飲むことなく、飲みに出る回数、1回あたりの量ともに、適切なところを保ちながら、酒と付き合っていきたい。
 
ということで、一瞬禁酒を考えてみた、という話でした。