出張に出ると思考は広がるが、その跡を残すは難しい

先週は半年ぶりに東京に出張出た。久しぶりの東京はやはり刺激的で、常にアップデートしている都市という印象を強く受けた。
先日このブログにも書いたが、出張に出ると顧客や取引先との会話によるものだけでなく、その土地土地から受ける無意識下の情報からもいろいろと刺激を受けて、思考が広がっていく感覚を得ることができる。
 
あれやこれやと頭がまわりだして、いろいろなアイデアが生まれてくるので、やはり定期的に外に出て刺激を受けることは大事だなと感じたわけだが、一方でその思考の跡を残しておくことが難しいことも実感する。いろいろと考えるのだが、それを書き残すことをしておかないと、せっかく考えたことも半分以上は忘却の彼方へ消えてしまう。そして、この書き残すという作業がなかなか難しいのである。
 
なぜ難しいかというと理由は大きく3つ。
まずは、出張のときはどうしてもスケジュールを詰めてしまう傾向があり、何か書き残す時間をとるのが難しいから。
刺激を受けていろいろと考えるのはいいのだが、その思考の大半は拡散的なもので、そのちらかった思考を書き残しておくにはある程度まとった時間がいる。それに対して、出張中はスケジュールがタイトなことが多く、思考をまとめるのにまとまった時間が取れない。よって、考えっぱなしになってしまうことが多くなってしまいがちである。
 
2つめは、移動が多く疲れてしまうから。
出張中は普段よりも移動する距離が普段よりも多く、歩く距離も地元にいるより都市部にいるほうが多くなる。加えて、普段とは違う地域にいるということで、多少の緊張もあり、それが疲れに影響してくる。
思考自体は多少の疲労があっても問題ないのだが、それをまとめたり書き残すとなると、余力がないとできない。時間が取れたとしても体力が残っていないと、考えたことをまとめる気力がなく、せっかく考えたことも放置されることになってしまう。
 
最後3つめは、アルコールの摂取が増えるから。
出張の際には、会食が入ることが多い。となると、アルコールの摂取量も増える。会食時は会話も弾むし、最新も知見も得られ非常に有意義なのだが、そのとき聞いたことや考えたことはアルコールのせいもあって大半は翌日覚えていないし、覚えているうちに書き留めようと思ってもその気力がない。昼間考えたことも、会食のときに考えたことも、どちらもアルコールがせいで書き留める気力が奪われ、忘れ去られてしまう。
 
では、どうすればいいか。
スケジュールを詰めずに、移動も少なめにして、会食もしない。これだと、出張に出る意義はないし、思考も広がらない。本末転倒である。
ただ、スケジュールを眺めて、このタイミングで書き残しておこうと意識することくらいはしておいてもいいと思う。また、帰りの新幹線や、帰ってから時間を確保しておいて考えをまとめておくことは大事かもしれない。
 
ということで、出張に出ると刺激を受けて思考は広がるのだが、一方でせっかく広がったその思考の跡を残しておくのは思っている以上に難しい、という話でした。