興味を持つことに時間を割く

先日、Voicyの西野亮廣エンタメ研究所を聞いていたら、「聞く力」はどこから生まれるのか、というテーマで話をしていた。
その内容は、手越祐也氏のYouTubeチャンネルに出演したときの話で、手越氏はゲストに興味を持つことにキチンと時間を割いて準備をしていたという。
一般的に対談やインタビューで、インタビュアーがゲストに興味をもっていないと一問一答になってしまうのだが、手越氏は興味をもつ努力をしているということが伝わり、その対談も盛り上がったという話だった。
ただ、相手のことを調べたら自然に興味はわくけど、調べるにはそれなりに時間がかかるから興味をもつのは大変だとも話していた。
 
ところで。
うちの会社の営業部隊は、狭い業界内で営業活動をしており、顧客数が限られていることもあり、どこの会社もうちの会社のことをよく知っていてくれると、思い込んでいた。
 
しかし、ここ数年業績が下降線をたどっていたため、お客さんに話を聞いてみると、転勤があったり、新入社員も入ってきたりなどで、人の入れ替わりも多く、一部の人を除いては、思っていたほどきちんとうちの会社のことを理解できていなかったということがわかった。
 
そこで、今一度、顧客企業一人ひとりの担当者に、うちの強みを説明してまわり、その担当者の課題を聞き出すという地道な活動をはじめたところであった。
 
ところが、この課題を聞き出すという営業手法。これまでそういった視点で営業活動をしてこなかったので、なかなかうまくいかない。
毎度、営業に行ったときにどのような会話をしたのかをレポートにまとめてもらっているのだが、課題を聞こうと質問しても事情聴取のようになって、会話も弾まずにそのまま終了というケースが多かった。
 
そんな折、冒頭のVoicyを聞いて、これはまさにうちの会社の営業の問題だ、と思った。
 
興味がないと一問一答になってしまうというのは、まさにそのとおりで、出てくるレポートでも、1つ質問して、1つ回答が返ってくるの繰り返し。
そのお客さんのテンションが上っていないのが手に取るようにわかる。
お客さんが乗ってこないと、どんな提案をしてもら受け入れられることはないのに、ただこちらの聞きたいことばかり質問しているのである。
 
そんな状況が続いていたので、お客さんに興味をもてないというのは、その営業マンの資質なのだと半ばあきらめていたのだが、このVoicyを聞いて、そうではないということに気づかされた。
興味をもつために調べるということに、労力を割いていなかっただけなのである。
 
では、どうすれば興味をもつことに時間を割くようになるのか。
このVoicyの内容はぜひ聞かせたいと思うのだが、おそらく聞かせただけでは行動は変わらない。
西野氏も言うように、調べるにはそれなりに時間がかかるので、興味をもつということは、想像以上に大変だからである。
 
となれば、どうすればいいか。
まずは、経営者(私のこと)や管理職が、そのお客さんのビジネスに興味をもつことではないかと思っている。
私や管理職が、興味をもってうちの営業マンに質問すれば、いやでも確認しないといけない。調べたり、お客さんに質問したりで情報を得てくるようになる。
きちんと情報を得ることができれば、自然に興味も湧いてくる。
私(や管理職)は、興味を持たざる得ない状況をつくることに専念すればいいのということになる。
 
これでどこまでうまくいくかはわからないが、少なくとも自分がやっていることに興味をもってもらって嫌だという人は少ないはずである。
そこから話をきちんと聞き出すことができ、少しでも成果につながっていけば、自然と興味をもつことに時間を割くようになるのではないだろうか、とVoicyを聞きながら思った次第である。
 
ということで、当たり前のことを当たり前にやるのは難しいな、と思ったという話でした。