過剰な「さん」づけ「様」づけ問題

先日、Voicyの「ながら日経」を聞いていたら、パーソナリティがとあるパン屋に対して「お店様」という表現を使っており、強い違和感を覚えた。
最近、個人だけでなく、組織や店舗に対しても、「さん」づけすることが多いが、さすがに「お店様」変だろうと思った。
 
しかも、それが「日経」の名のつくニュース番組から発せられたことに、いかがなものかと思った
「ながら日経」は日経のニュースを紹介するVoicyのチャンネルで、パーソナリティは日替わりで、曜日ごとに違う。各パーソナリティは、いわゆるプロの話し手(アナウンサー)や記者とかではないようで、おそらく日本語に対する教育のようなものはなされていないと思われるが、少なくとも「日経」の看板を掲げているのであれば、最低限の質の担保は必要なのではないかと思った。
これがテレビのアナウンサーであったら、上司や先輩から間違った日本語として叱られるレベルではないだろうか。
 
さて、こうした過剰な「さん」づけ「様」づけ問題は最近テレビ番組でもよく目にする。
例えば、私が好きでよく見ているBSテレビ朝日の「サウナを愛でたい」という番組があるのだが、この番組で紹介されるサウナ施設に対して、例外なく「さん」をつけている。私はこの番組は好きなのだが、この「さん」づけに対しては違和感ありまくりで、正直やめてほしいと思っている。
 
なぜ、こういったテレビやメディアにおける「さん」づけ「様」づけは問題なのか。今回はこれが問題と思う理由についてまとめてみたい。
 
それは、番組の制作サイド、(取材される)店舗、視聴者という三者の関係を考えるとわかりやすいかと思う。
基本的にテレビ番組で店舗を紹介するときは、番組制作サイドと店舗が1つのグループで、それを視聴者が見るという関係かと思っている。
 
(こんな感じ)
番組制作ー店舗
視聴者
 
となると、同じグループである、番組制作サイドが店舗に対して、敬称を使うのはおかしいとなる。
例えるなら、他の会社の人に対して、「うちの社長がいらっしゃいました」と言ってしまうようなものである。
あくまでも番組制作サイドと取材される店舗は一蓮托生(というと言い過ぎ感はあるが)だと思うので、そこはきちんと区別して敬称の使い方を考えてほしいなと思うわけである。
 
話を戻して、今回のVoicyの件は、この店舗は取材した店ではなく、パーソナリティがプライベートで行ったことを紹介しただけなので、ここまで細かく考える必要はないのかもしれないが、それにしても安易な「さん」づけ「様」づけはやめてほしいなと思った次第である。
 
ということで、なんでかんでも「さん」や「様」をつければいいってもんではない、という話でした。