このコロナ下で地方の企業が東京の展示会に出展するので、対策と注意点とまとめてみた

うちの会社では、12月に東京で開催される展示会に出展する予定にしている。
 
展示会は、コロナが拡大しだした2月ごろまではどうにか開催されていたが、3月ごろからは軒並み中止になった。
中小企業にとって展示会はうってつけのプロモーションの場だと思っているが、その機会がなくなると、うちの会社にとっては大きな打撃になる。
3月にとある展示会に出展予定だったが中止になり、これによって販売機会が大きく減ることになった。
その後、7月くらいから徐々に展示会も再開しだし、10月に視察にいった展示会は昨年並みとまではいかないものの、ある程度の人数が来場しており、一安心といったところだった。
 
ところが、ここに来て感染者が増大し、この12月の展示会がどうなるか予断を許さない状況になってきた。
この展示会は、おそらく緊急事態宣言が出ない限りは主催者は開催するだろうと予想しているが、東京では連日500人前後の感染者が出ており、どうなるかわからなくなった。
とはいえ、感染者数はわれわれではコントロールできないので、あくまでも展示会が開催されることを前提に準備を進めていかなければいけないのだが、その準備の中でもいわゆるコロナ対策としてどういったものが挙げられるか、ここでまとめておきたい。
 
 
展示会出展者が対応すべきコロナ対策だが、3つのフェーズに分けることができる。
 

1.会期内に感染しないようにする

1つめは、会期内にいかに感染しないようにするか、である。
 
東京ビッグサイト幕張メッセといった、展示会が開催されるような会場は、基本空調はいいと言われている。
時間によっては多くの人が行き交うが、ただ歩いている人は会話をしないし、会話をする人たちもブース内でマスクをつけての会話になるので、厳密な意味での三密は避けることができる。
 
そういう環境なので、展示会に来場者としていく分には、それほど感染リスクは高くないといってもいいのではないだろうかと思っているが、出展者側となると少し事情が変わってくる。
感覚的にわかってもらえると思うが、コンビニでも客としていく分には感染リスクはほぼないと言えるが、店員側から見るとそこそこの感染リスクがある。
最近ではレジにビニールシートがかけられていることが多いが、あれは客への感染を防ぐためではなく、店員への感染を防ぐためのものである。
 
展示会に戻るが、出展者側は長時間不特定多数の人と会話するので、いかに空調が良くても、やはり不安なところである。しかも、1日中、立っているので、かなり体力を消耗する。
そこで、会期内にやっておくべき対策としては、会場でできることでいえば、マスクをする(ついでにフェースシールドをする)、こまめにアルコール消毒をする、こまめに水分補給をするといった基本的なことになる。
 
これに加えて大事だと思うのが、会場を出てから。
われわれのように地方から出張で都市部の展示会に出る場合、どうせ夕めしを食べるのだからと、夜飲みに出るということがある。
展示会に限らず、出張に出ると、予定を詰めて入れ、さらに夜は会食ということは多い。冬場にこういうスケジュールで動くと、体力が削られ、出張中もしく帰ってから風邪をひくという経験をしたことがある人は少なくないのではないだろうか。
よって、会期中は飲みに出ず、早く寝る、ということが一番に対策になるのではないだろうかと思っている。
さらに、展示会では話をする機会が多いので、うがい薬でうがいをし、湿度が低いホテルとかでは加湿をするなど、喉を痛めない工夫が大事になる。
 
これは、コロナをもらわないというよりも、風邪にならないという発想で対策をしたほうがいいということである。
仮にコロナが体内に入ってきたとしても、感染する前に叩く、感染したとしてもウイルスの数が少ないうちに叩いてしまえばいい、と考えればいいのである。
 

2.仮に感染していたとしても、感染を広げないようにする

2つめは、万が一新型コロナに感染したとして、これをそれ以上広げないようにするにはどうしたらいいか、ということになる。
うちの会社は工場を運営しているが、展示会に出展者として参加して、工場に戻った従業員が新型コロナに感染して、ここから工場内に感染が広がったりしたら目も当てられない。工場内に感染が広がらなかったとしても、濃厚接触者が出れば、工場運営に支障をきたす。
 
となると、展示会に出たものは、コロナに感染していようが工場や会社の従業員とは接触させないようにする必要がある。
今回、うちでは展示会に出展者として参加したものは、1週間在宅勤務とすることにした。あわせて、家族がいる場合、まわりに感染させてはいけないので、1週間ほどホテル宿泊費用も会社で負担することにした。
 
厳密に言えば、2週間接触しないほうがいいということになるが、基本感染してから発症するまでの期間としては5日程度が多く、濃厚接触したという場合でもない限りは1週間で十分であろうと判断した。
これで、仮に展示会で感染したとしても、それ以上の感染は防ぐことができ、工場運営に支障をきたすことはないと考えることができる。
 

3.感染したということによる風評被害を避ける

最後3つめは、地方特有の問題と言えるかもしれないが、まだ感染者数がそれほど多くないということから、感染したということが知られると、バッシングされる可能性がある。これは絶対に避けたいところである。
 
そうならないようにするには、自社の社員が感染した場合に、どういう経路で感染したか、事前にどういった対策をしていたか、事後にどういった対応を行ったか、の3つを説明できるようにしておく、ということが重要であると考える。
 
感染したという事実自体は、必ずしも公表する必要はないと思うが(インフルエンザに罹ったからと言ってわざわざ発表する会社はないように)、仮にどこかに伝わったとしても、この3つをしっかり伝えるように準備しておけば問題ないと考える。
とはいえ、1つめと2つめの対策をきちんとやっておけば問題ない。当たり前のことをきっちりやっておけばいいのである。
 
以上、このコロナ時代、とくに地方の企業が都市部の展示会に出展するときの対策と注意点をまとめてみた。
とりあえず自社の出展の際は、これをきちんと徹底してやっていきたい。
 
ということで、コロナ時代においては、公表できないような行動はしてしまうと万が一のときに困ってしまう、という話でした。1つひとつの行動に説明責任が求められる、ちょっと息苦しい時代です。