「新型コロナウイルスの真実」を読むと「安心」を得ることができる

今回の新型コロナウイルスの問題に際して、岩田健太郎教授のことを知ったのは、2月中旬に「ほぼ日」の↓の記事を読んでからだった記憶している。
この記事自体はインフルエンザや風邪のことを説明した2018年の記事だったが、非常にわかりやすく、新型コロナウイルスとはどういうものかを理解するのに随分役に立った。
その後、岩田先生のことはTwitterや書籍などを通じてフォローしてきた。
 
そんな中、新型コロナウイルスに関する新著が出るということで、Kindle版が出たタイミングで早速読んでみた。
新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書)

新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書)

 

 

感想の結論から言うと、非常にわかりやすく全国民が読むべき本だ、と思った。
 
個人的には、第3章の「ダイヤモンド・プリンセスで起こっていたこと」で、クルーズ船での感染症対策の考え方を理解できて面白かったが、読む時間がない人や本は苦手という人は第1章、第2章を読むだけでもいいと思う。
 
では、なぜこの本を「読むべし」と思ったのか。
はじめにで、
新型コロナウイルスについて自分で判断するために、必要な情報が何でしょうか。それは、感染症の原則を押さえることです。
と書かれているが、まさにこの本を読むことが、感染症の原則を押さえることにつながり、今後われわれがどう行動すべきかの指針になるからと思ったからである。
 
また、第5章では
感染症と向き合う上でまず大切になるのは、「安心を求めない」ということです。
とあるが、私はこの本を読むこと自体が、読んだ人の安心につながると感じた。
多くの人たちは、このウイルスのことを知らないがために、必要以上に不安を覚えている。
この本に書かれていることは、ウイルスや感染症新型コロナウイルスの基本で、非常に平易に書かれており、この本の内容(本を読むのが苦手なら第1章と2章だけもいい)を理解するだけで、このウイルスに関する必要かつ基本的なことを理解でき、どう行動すればいいのかがわかるのである。
 
私の住んでいる地域でも感染者が出て、それはもう犯罪者のような扱いを受けている。
でもそれは、まわりの多くの人たちが、このウイルスのことを知らないからだ。
少なくともこの本に書かれていることを知っているだけで、不必要に感染者のことを怖れる必要がないことがわかる。
何を怖れて、何を恐れなくていいのかがわかると、それは心の安寧につながるのである。
そのためにも多くの人がこの本を読むことを切に願う次第である。
 
Amazonのレビューでは、今のこの時期に出版する意義があるのか、といった感想が書かれているが、これは読んでない人のレビューと思って間違いないだろう。
この本は、新型コロナウイルスの完全版ではないけど、基本編であり、だからこそ多くの人が今読むべき本なのである。