年を取ったことで、午前中が大事であるということに気づく

よく「朝の1時間は夜の3時間に匹敵する」などと言われる。
朝は生産性が3倍高いから、朝に大きな仕事を片付けよう、という内容を多くの自己啓発本で見てきた。
 
しかしながら、正直なところ、学生時代から社会人前半期の20代から、大学院に通っていた30代前半までは、このことが実感できずにいた。
そのころは、文字通りの体力もあり、脳の体力も存分にあって、夜遅くまで議論してもぜんぜんへっちゃらだった。
前職時代は、昼は打ち合わせや問い合わせが多かったので、終業のチャイムがなってからが自分の仕事の時間だ!という感覚もあり、夜遅くまで仕事をしていたのを覚えている(今思えばスケジューリングが下手だっただけではあるが…)。
夜遅くまで仕事しても遊んでも次の日にどうにかなったのである。
二日酔いのときでも、午後には回復するのでそこからでも取り返すことができた。
 
しかしである。地元に戻ってきて30代後半になったころから、例えば会社のプロジェクト会議で数時間議論すると、そのあともう頭がまわらなくなってきた。
また、二日酔いのときは、1日を棒に振ってしまう日も増えてきた。
 
さらにこれが40代に入ってくると、午後の集中力が午前のそれに比べると確実に下がってきているのを実感するようになってきた。
仕事を午後に後回しにすると、なかなか集中できずに終わらない、なんてことも増えてきた。
 
こうやって、アラフォーと呼ばれる年代になって、はじめて朝の生産性は夜の3倍である、ということが実感できるようになってきた。
よくよく思い出してみると、冒頭の「朝の生産性は夜の3倍である」的なことを言っているのは年配の人が多かったように思う。
もちろん、若くても朝のほうが生産性は高いんだろうけど、差がそれほどないので実感しにくかった。夜でもやろうと思えばできたので、大きな問題ではなかったのである。しかし、40を超えるともう夜にはできない(仕事が多い)のである。
 
ただ、これはこれで悪いことではないと思っている。
午後とか夜の生産性が悪いなということを身を以て実感できるようになると、それなりの対策を講じるようになり、その結果生産性は保たてるというかむしろ良くなっている部分もあるように感じている。
具体的にやっていること(というか意識していること)は以下のとおりである。
 
まずは、当たり前のことだが、午前中という時間を、大きなエネルギーを必要とすることに使う。
この時間で何かやり切るという意識をもつことで、達成感も感じることができ、前向きになれる。
また、土日であっても、時間が取れるときは、頭の整理に時間を使ったり、ブログを更新したりなどしている。
こういった工夫をすることで、有効に時間をコントロールできているという実感が出てきた。
今後は、社内会議はできるだけ午後にもってきて(会議であれば、半ば強制的に頭を動かすことができるため)、午前中は自分で何かやる時間にするように配分していきたいと思っている。
 
次に、午前中が大事なので、二日酔いにならないように気をつけている。
前述のとおり、最近は二日酔いになると午前中どころか1日中使いものにならなくなってきているの実感する。
なので、二日酔いにならないよう、前日に深酒をしないよう心がけている。
具体的な方策として、禁酒も一瞬だけ考えてみたが、お酒を飲むこと自体は好きだし、もともと人見知りなので会食でアルコールがないのはつらいし、さらには酔っ払っている感覚はなんとも言えない幸せを感じることもあるので、この案は却下。
では、2次会に行かない、ということも考えたのだが、これは自分の意志だけではどうにもならない場合もある。
そこで、折衷案として、2次会ではアルコールを飲まない、ということにしている。
やってみるとこれがなかなかよくて、2次会に行っても、そこからは水とか烏龍茶とか炭酸水を飲むので、水分補給できて酔い醒ましになる。帰ってから気絶するように寝る、ということがなくなった。
私の場合は、アルコールが好きというよりも、飲んでテンションが上がるのが好きというタイプなので、あまり苦痛ではない。アルコールによって上がったテンションを持続する体力もなくなってきているだけかもしれないが。
ということで、二日酔いにならないので、次の日も快適にスタートできている。
 
もう1つ心がけているのが、とくに午前中は職場ではない場所で仕事をするということ。
私は経営者ということもあり、会社では自席のまわりに人がいない。これはこれでいいこともあるが、一方でエンジンがかからずダラダラしてても許されてしまうという側面もある。
そこで、私はとくに午前中で時間があるときには、あえて近くのスタバに行くなど、外で仕事をするということを実践している。適度にまわりに人もいるので、良い緊張感で仕事が捗る。
 
と、こんな感じで、午前中の時間を有効に使うよう心がけている。
これは、じりじりと体力が衰えてきたことによって、強制的に生活習慣の見直しが行われたとみることができる。一見良くないことも、見方次第では良いことになるということで、人生うまくできているなと思った次第である。
 
ということで、年を取るのも悪いことではないな、と思ったという話でした。