ロジックを伝えようとしないメディアと、結論だけを聞きたい国民

新型コロナウイルスに際して、政府はいろいろな施策を立案し実行している。
その中には有効なものあれば、そうでないものもあるのだろうけど、概して日本の政策は(他の国に比べて)良くない、という印象の報道が多いように感じる。
私自身、個々の政策についてきちんと勉強しているわけではないし、専門的な知見もないので、そこに良し悪しの評価をすることはできないが、それでもやはりメディアは極端な印象を与えているのではないかと感じている。
 
例えば、「アベノマスク」の件。
いわずとしれた、日本の全世帯に2枚ずつ布マスクを配布するという政策。
はじめてこの話を聞いたとき、私も正直トンチンカンなことするなと思った。
 
しかし、↓のツイートを見て納得した。
 

 

この政策のロジックはこんな感じである。
 
飛沫感染防止のため、みんなマスクはしてほしい
しかし(とくに不織布の)マスク供給が逼迫
よって、医療関係者など必要なところにマスクが届かない
だから、一般人は布マスクを(洗いながら)使ってほしい
でも布マスク生産しても売れないとどこも作ってくれない
だから、国が買い取りして配る
全世帯に2枚配布
 
以上のように、この政策の肝は、ボトルネックになっている、大事な大事な不織布のマスクを医療機関に優先的に配布するための政策なのである。
この肝の部分を理解できると、多少お金がかかっても、医療崩壊を防ぐために、必要な政策であると納得することができる。
しかし、この肝の部分がまったく伝わらず、最後の結論の部分だけが報道され、みんな好き勝手に意見をしているというのが現状なのだ。
 
今の日本は平時か戦時かと言ったら、戦時であると私は思っている。
↓のツイートでも言われているように、メディアも平時モードで政策にツッコミを入れるよりも、戦時モードで政策のロジックを正しく伝えるということが大事かと思う。
 

 

上のアベノマスクの件でも、政府の広報が下手くそという面もあると思う。きちんと伝えようという気がないとすらと思ってしまう。
確かに、そうなんだけれども、いやだからこそ、メディアが不安を煽る方向に行くのではなく、安心を与える方向に今はいくべきだと思う。
これは、メディアが政府の政策に賛成しろということではなく、ロジック含めてわかりやすく説明すべきであるということである。
ロジック含めて、全体のためにならないと判断すれば批判すればいいし、合点がいくならそう伝えればいいというだけである。
 
一方で、情報を受け取る国民も、結論だけ聞きたいと思っている節はある。で、結局どうなるの?と、結論だけわかればいいと思っている人も多いと思う。
だからメディアもそのニーズに即してセンセーショナルな結論だけを伝えるというスタンスになっている面もあるだろう。
しかし、こんなときだからこそ、出てくる政策の裏側というかロジックを理解しようとする姿勢が、国民一人ひとりにも求められているように思う。
 
ということで、やっぱりロジックって大事だな、と思った話でした。